2020 Fiscal Year Annual Research Report
上位管理者に焦点を当てた予算スラックの形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K13872
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 正隆 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (00706905)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 予算スラック / 上位管理者 / コントロール / 予備費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,予算スラックの形成に関して上位者に焦点を当て,(1)上位者が実施するコントロール手法の選択や程度に影響を及ぼす背景・動機,および(2)上位者によるコントロールと予算スラックの形成要因との間の関係,について理論的かつ実証的に解明することを目的としていた。 上述の研究目的に対して,2020年度における実施計画は,2019年度に実施した文献レビューおよび企業に対するインタビュー調査の結果から構築された理論モデルをより精緻化し,その仮説検証を行うために,質問票調査による定量的データを用いた分析を行う予定であった。また,インタビュー調査については引き続き継続して実施する予定であった。 しかし,新型コロナウイルスの流行により当初予定していた企業を対象とした調査の実施が困難となり,またそうした環境変化による影響も考慮したうえでの理論モデルの再構築が必要となったため,質問票調査の実施時期が大幅に遅れ,年度末での実施となっている。またそれに伴い,質問票調査による定量的データの分析は未実施の状態である。加えて,企業へのインタビュー調査も全く実施できていない。これらに関しては,コロナの状況を見ながら,今後実施予定である。 そうした中で,文献レビューの成果として論文を発表している。当該論文では,予備費を予算スラックの概念の中に位置づけることで,予算スラックを可視化できるものとし,上位管理者がその形成をコントロールする可能性について言及している。これは,予算スラックの形成に対する上位者によるコントロールに関して新たな知見をもたらす可能性があることを示唆しており,本領域における研究の展開に貢献するものである。
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