日系アメリカ人の象徴的エスニシティに関する一考察 四世のルーツ探求行為に着目して

2023 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K13880
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 中橋 真穂 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30737599)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 日系アメリカ人 / エスニックアイデンティティ / 移民 / ライフストーリー / インタビュ―調査

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、日系アメリカ人四世に対するインタビュー調査や参与観察を通し、世代交代を経た日系アメリカ人の文化変容と社会的位置づけ及びその要因を明らかにする。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大及び育児休業等で延期していた米国での現地調査を実施した。具体的には、米国カリフォルニア州で、日系アメリカ人四世を対象に、半構造化インタビュー調査を実施した。また、過去のデータ整理や新たな資料収集及び整理などを実施した。同時に、来日経験のある日系アメリカ人四世を対象に実施した過去のインタビュー調査データの整理を行い、日系アメリカ人の来日経験とそれがエスニック・アイデンティティに与えた影響について分析を進めた。以上の調査から、三世以前とは異なる日系アメリカ人としてのエスニック・アイデンティティ、ルーツへの想い、日本語や日本語学習への興味といった、四世以降特有の意識や行動が明らかになった。日系アメリカ人四世のエスニック・アイデンティティとルーツ探求に着目し、象徴的エスニシティとの関連について考察することにより、世代交代を経た日系アメリカ人の変遷と新しい社会的位置づけ、及びその要因を明らかにすることを試みた。