2021 Fiscal Year Research-status Report
人的ネットワークを活用した地域支援のあり方に関する研究
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19K13934
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
野原 康弘 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, コーディネーター (80833053)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人的ネットワーク / 健康指標 / 孤立 / 地域福祉実践 / 中山間地域 / ネットワーク分析 / 持続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度はCOVID-19の影響のもと、追加調査が実施できず、過去の調査実績に留まる。ただし、調査により得られた以下の知見を査読論文・研究報告として執筆・投稿することで社会還元を行った。当該年度は世帯構成別のパーソナルネットワークと健康状態の特徴に焦点をあて、高齢夫婦世帯と比較して高齢独居世帯と家族同居世帯において健康指標の低下が懸念されることを示し、これに関して地域福祉学会にて報告を行った。
調査実施までは至っていないが、研究対象地域の地域福祉実践者とは定期的に研究打合せを行い、高齢者の居住状況の変化(継続・転出・死亡)や今後の調査方針などについて議論を行った。複数回の議論により、COVID-19の影響のもとで地域側にも変化が生じていることが推察され、次年度以降、追加調査により高齢者の人的ネットワークの変化について明らかにしていく方針である。また、既存の研究対象地域以外の複数地域において、地域福祉実践者とともに定期的に研究内容および成果に関する意見交換を行い、人的ネットワーク調査の活用可能性について検討するとともに、災害・感染症に強いコミュニティ形成の在り方について議論を行っている。次年度以降の調査実施に向けて、各々の地域の特徴・ニーズを踏まえた調査内容を検討している。
さらに、支援が必要な高齢者やコミュニティの中心人物を明らかにする人的ネットワーク調査に加えて、高齢者の地域生活をサポートする地域人材の育成・持続可能性に関する調査研究についても地域福祉実践者と検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度はCOVID-19の影響のもと研究活動が制限され、高齢者の戸別訪問を基本とした追加調査が実施できず、2020年度までの調査実績に留まっている。また、当該年度において既存の研究対象地域以外の複数地域での調査実施も検討していたが、COVID-19の影響もあり、次年度の調査実施に向けた再調整を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCOVID-19拡大の状況を慎重に見極めながら、既存の研究対象地域における追加調査を検討している。また、他の複数地域での調査実施についても調整中であり、2022年度中の調査実施を予定している。 高齢者サロンなどの地域活動が徐々に回復しつつあることから、地域福祉実践者との連携のもと、COVID-19の感染予防に細心の注意を払いながら高齢者への聞取調査を実施する予定である。ただし聞取調査が困難な場合も想定されるため、状況に応じて非対面でもアンケート調査などを検討している。
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Causes of Carryover |
当該年度はCOVID-19の影響のため、調査対象地域での調査が実施できず、そのため人件費や旅費の使用が少なかった。また、学会もオンラインでの開催となり、現地発表がなかったことから旅費の使用が少なかった。 翌年度は、既存の対象地域での追加調査と既存の対象地域以外の複数地域での調査実施を検討しており、調査にかかる旅費と人件費が見込まれる。また、先進地域への調査を検討しており、旅費の使用が見込まれる。
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Research Products
(1 results)