2023 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症患者の子育ての課題と精神保健福祉士の支援モデルに関する研究
Project/Area Number |
19K13939
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Research Institution | Japan Healthcare University |
Principal Investigator |
松浦 智和 日本医療大学, 総合福祉学部, 准教授 (90530113)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 育児 / 子育て / 精神保健福祉士 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、当初から計画していた3次調査「統合失調症患者の子育ての支援に関するソーシャルワークの介入方法に関する調査」について、1次調査・2次調査の結果を踏まえ、北海道内の精神科医療機関・障害福祉サービス事業所のソーシャルワーカー7名を対象に、統合失調症患者の子育てと家庭教育に関する支援の現状と課題についてヒアリング調査を実施した。その結果、精神保健福祉士による支援モデル構築について、以下の5点の検討可能性が見いだされた。すなわち、①ピアサポートの構築、②シームレスな医療・生活支援、③育児離脱期の肯定的態度、④リカバリーへの伴走、⑤ソーシャルアクションである。これらすべてを、コミュニティを基盤に行われることが望ましく、同時に、その設計においては、精神保健福祉に関わる医師や保健師、看護師、作業療法士、行政職員などとの理念・情報・支援機会の共有が重要であることを再確認した。 これら一連の結果については、先行研究では示されてた「陰性症状が強い場合は、適正な養育がされていないことが多く、子どもに対して親としての関わりが少なくなっており、子どもの心身発達上の問題が生じることになる」という当事者の現状のほか、支援に必要な視点として「多面的な本人と環境の理解のための総合的なアセスメント」「母親の心の安定から子どもの心の安定や成長につなげるための継続的な支援」「関係機関との連携調整」があげられていたことと概ね一致していた。
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