2021 Fiscal Year Research-status Report
小地域を基盤とした子育て支援活動のプラットフォーム機能に関する研究
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19K13974
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
東根 ちよ 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 講師 (30777842)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子育て支援 / 小地域 / プラットフォーム / 地域福祉 / 子ども家庭福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、子どもを取り巻く環境では、子どもの貧困、児童虐待など、既存の制度では対応に限界のある問題が顕在化している。そのようななか、子どもを真ん中においた地域活動が各地域に広がっているが、そのような取り組みが、子どもや家庭を取り巻く課題の直接的な解決ではなく、地域社会にどのような影響を与えているのかという側面に着目する実証研究は決して多くない。そこで、本研究では事例分析にもとづき、小地域を基盤とする子育て支援活動のプラットフォーム機能を明らかにすることを目的としている。 令和3年度は、令和2年度に実施できなかった鳥取県におけるフィールド調査を行った。地域コミュニティの子育て力は、低下が指摘されるようになり久しいが、既存の枠組みにとらわれず子ども支援を展開する地域も存在する。その背景を明らかにするため、フィールドにおける子ども支援の展開を確認した。フィールド調査からは、地域コミュニティが子ども会を中心とした従来型の子ども支援に加え、学童保育の実施、学童保育の拠点を利用した多世代交流、学校教育への参入など、包括的な子ども支援を行いながら「地区の子どもは地区で育てる」ことを意図している様子が明らかとなった。また、そのような展開の背景には、子どもに関わる社会教育(自主サークルの支援)、学校教育(コミュニティスクールの導入)、社会福祉(学童保育の地区内実施)の各制度が地域コミュニティに開かれている状況が存在していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は、研究代表者の所属・居住地の変更と感染症の影響により、研究実施計画で想定していた中国地方での調査継続が困難となったが、令和3年度はオンラインも使用しながら調査を再開することができた。そのため、新たに関係性を構築する関西地方でのフィールド調査、ヒアリング調査は行わず、研究実施計画で想定した調査に注力した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は追加のヒアリング調査を行うとともに、研究成果を学会報告、ブックレットとして発表することに注力する。
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Causes of Carryover |
感染症の影響により、対面調査は研究実施計画で想定していた回数よりも制約を受けている。それに伴い、旅費にかかる費用について次年度使用額が生じた。令和4年度の追加のヒアリング調査にかかる旅費に充当する。
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