2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13978
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
森 弥生 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90816399)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 吃音 / ふくしま吃音懇話会 / 吃音啓発リーフレット / アクションリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
吃音は、従来の福祉の枠組みでは捉え切れておらず、一貫した支援制度から取りこぼされている。さらに東北地方にはセルフヘルプグループのみならず吃音の支援機関も少ない。本研究の目的は、吃音問題への取り組みが大きく遅れている福島県において、「吃音当事者および支援の実態と課題の把握」、「社会的認知の促進」、「支援システムの構築」をアクションリサーチにより実行することである。 2021年度は対面でのふくしま吃音懇話会は開催することができなかったが、これまでに実施した7回分のふくしま吃音懇話会のアンケート内容の分析結果を論文に作成中である。 また、先行して調査を行っていた吃音当事者を対象としたインタビューについて分析を行い、日本質的心理学会へ論文を投稿した。学会発表としては、日本吃音・流暢性障害学会第9回大会の全言連プログラム企画「セルフヘルプグループと専門家の連携」において、事例の一つとして「ふくしま吃音懇話会」の紹介のため、パネリストとして登壇した(オンライン)。これら、吃音当事者のインタビュー分析の論文発表や、福島の吃音に対する取り組みについて紹介した学会発表は、本研究の目的である吃音の社会的認知の促進および当事者の支援に寄与する。 また、ふくしま吃音懇話会のメンバーである言語聴覚士が作成した、当事者および保護者が周囲の人に配布できる新たな吃音啓発リーフレット2種を発行した。さらに同じ言語聴覚士を講師に、専門家向けオンラインセミナーを開催した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はコロナ禍によりふくしま吃音懇話会を開催することができなかったが、当事者が使用できるリーフレットの作成や、専門家向けのオンラインセミナーを開催した。また、幼稚園、保育園、子ども園へ吃音啓発リーフレットを配布の予定であったが、倫理委員会承認にかかる期間も考慮し、配布が効果的な新年度の時期に実施するため次年度に繰り越した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究について、福島での吃音問題に対する取り組みについて学会で発表を行う予定である。吃音啓発オンラインセミナーは引き続き実施する。幼稚園、保育園、子ども園への吃音啓発リーフレットの配布による啓発効果について、アンケート結果の分析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
参加予定であった学会がオンラインになったため、旅費の支出はなかった。予定していた論文掲載費用も、掲載費が不要な雑誌に投稿したためかからなかった。来年度の使用計画は、アンケート配布のための郵送料、その人件費用、学会参加費用である。
|