2023 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical study on system-approach for district-based continuous school improvement in the U. S.
Project/Area Number |
19K14055
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
照屋 翔大 沖縄国際大学, 経済学部, 准教授 (90595737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 校長指導職 / 校長 / リーダーシップ / 学校改善 / システム・アプローチ / 地方学区 / アカデミー / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アメリカにおける初等中等教育の実質的基礎単位である地方学区(district)に着目し、システム・アプローチの視座から「持続的な学校改善」を実現させる諸要件を明らかにすることである。 昨年度までに、学区を基盤とした持続的な学校改善を実現するためには、学区事務局に配置される校長指導職(Principal Supervisor:PS)による校長への日常的な支援が重要であることを明らかにしてきた。そこで本年度は、それらの成果をもとに、PSによる支援体制・機能の実際とPSの支援機能を高める研修の仕組みについて明らかにするため、ミネソタ州とユタ州において現地調査を実施した。これらの調査を通して得られた知見と課題は次の点である。 (1)PSの配置や機能については、学区規模や地域特性によって影響を受ける可能性がある。これまでのPSに関する学術的・実践的関心は、都市部あるいは大規模学区に偏りが見られる。本研究でも大規模学区での調査に留まったため、今後は小・中規模の学区さらに地方部での事例検討を重ねる必要がある。 (2)PSの力量形成機会の一つにLeadership Academyがある。これには、全米レベルで少なくとも4つの異なる類型が存在することを確認した。ただし、ユタ州の事例からはこれらの機会の創設・維持には財政的な課題が存在することが示唆された。 (3)上述のAcademy形式による力量形成機会は校長を対象とした取り組みにも広がっている。この取り組みは、校長職就任後の力量形成機会である点を特徴とする。アメリカにおけるこれらの取り組みを踏まえるならば、校長職の「養成-採用-研修」を一続きの過程(アメリカではそれをPipelineと称する)として捉え、キャリア全体を視野にデザインしていくことが、持続的な学校改善の実現に向けたリーダーシップの開発において重要である。
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Remarks |
その他の研究成果報告:照屋翔大「アメリカにおける校長の継続的な力量形成をめぐる動向」大塚学校経営研究会春季合宿研究会(2024年3月23日、鳥取県立生涯学習センター「県民ふれあい会館」4階 中研修室(2))
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