2021 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの就学前から就学後の精神神経発達の軌跡と発達支援の実態の解明
Project/Area Number |
19K14169
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田村 菜穂美 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (80836164)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子ども / 精神神経発達障害 / 前向きコーホート / 発達支援 / 経時データ |
Outline of Annual Research Achievements |
ASD(Autism spectrum disorder)やADHD(Attention deficit and hyperactivity disorder、注意欠如多動症)をはじめとする発達障害をもつ子どもが増加している。発達障害は早期発見・早期支援の実施が重要である。本研究の目的は日本の発達障害を持つ子どもの早期診断・支援体制の整備に必要な疫学的エビデンスを提供することである。出生コーホート研究を用いて子どもの5歳、6歳、8歳、12歳で測定した発達障害指標の軌跡と支援との関係を検討した。 5歳児、6歳児、8歳児に対する発達障害の質問票調査は発送が終了しており、2021年度でデータクリーニングが完了した。SDQ(Strength and Difficulties Questionnaire)およびこれまでに受けた発達支援に関する調査票は2019~2020年度には11,577人の7~17歳児に発送され7256件(回収率62.7%)回収を得ることができた。2021年度に行った、2019~2020年度の調査のフォローアップ調査では11,296人へ調査票を発送し、2022年1月末時点では6,038件(回収率53.5%)の回収があり、その後も回収を続けている。2021年3月より、12歳となった対象者2,325人にADHD-RSを送付し、1,502件(回収率64.6%)の回収を得ることができた。 保護者により回答を得たSDQにて、支援を必要とする可能性がある子ども(合計得点が13点以上)のうち、支援を利用したことがある子どもの割合は、男児で33.0%であったのに対して、女児では19.1%にとどまり有意な差が認められた。支援を必要としているが、つながることができない子どもの特徴を明らかにし、今後の発達支援体制の構築に方向性を与えることを目指す。
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