2022 Fiscal Year Annual Research Report
Organizational factors to facilitate collaboration with high school and community
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19K14243
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
川口 有美子 公立鳥取環境大学, 環境学部, 准教授 (40616900)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 都道府県 / 市町村 / 高校魅力化 / 地域協働 / 地域創生 / 過疎地域 / 探究的な学び / 地方政府間関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の本年度は、以下の2点が主な研究実績である。第一に、今日では公立高校の多くを占める都道府県立高校(以下、県立高校)と地域(県立高校が所在する市町村とする)との協働がコミュニティの活性化や地域創生の観点から強く要請されていることに着目し、県立高校の設置者である県と県立高校の所在する市町村の関係構築にかかわる分析結果の論文化を試みることができた(掲載媒体等は後段の「研究発表」参照)。第二に、以前より事例研究対象としてきたA県B町と同町内所在の県立C高校を再訪し、これまでよりもインフォーマントを増やす形でインタビュー調査を実施した(B町教委(6月・12月)、同町長部局(12月。以下同様)、C高校校長・教諭・生徒、地域住民等)。 第一の点に関しては島根県の「高校魅力化」事業を事例に、①県は管下の市町村に対し「共同性の担保」しつつ市町村に「伴走」し、県が採用していたのはリーダーシップというよりパートナーシップであったこと、②市町村は、県立高校の設置者ではないため「非『主体』性」を持ちながら、管内の「県立高校との共同性」と義務教育と高校教育を一体的に捉えながら人づくりを重んじる「市政との一体化促進に伴う県の『活用』」という要因を析出することができた。第二の点に関しては、県立高校と地域との協働にかかわり、県立高校と地元市町村がどのように役割を分担するのか、今後も追究すべき課題であることが明らかとなった。特に過疎地域に所在する県立高校が存続していくために地元市町村の役割や負担は決して小さいものではなかった。 研究期間全体を通じて、県立高校と地域との協働にあたっては「探究的な学び」が重要な促進要因になりえること、また、県立高校の設置者である県と県立高校の所在する市町村の関係構築の態様も大いに問われることを明らかにすることができた。
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