2020 Fiscal Year Research-status Report
視覚障がいのある学生と医療者に配慮された臨床評価支援アプリ(UD-MAP)の開発
Project/Area Number |
19K14312
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
福島 正也 筑波技術大学, 保健科学部, 講師 (30735759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚障がい / 特別支援教育 / 支援技術 / 臨床 / 理療 / 情報支援技術 / ICT / タブレット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、視覚障がいに配慮された臨床用評価支援アプリケーション(以下、アプリ)が、視覚障がいを有する施術者の教育および臨床業務の支援に有用であるという仮説を立て、アプリ開発と教育および臨床現場での実証を行うことを目的としている。 研究2年目である2020年度は、前年度に実施した調査研究に基づき、アプリ開発(α版)を完了し、開発したアプリの実証調査を実施した。
実証調査は、2020年8月20日~10月31日に、筑波技術大学附属東西医学統合医療センターおよび手技鍼灸実習棟において、筑波技術大学で鍼灸手技療法の施術を行っている教員、職員、研修生、大学院生、学部4年生を対象に実施した。調査方法は、調査対象者に、専用の操作マニュアルを配布し、実施場所に設置されたタブレット端末でのアプリの試用を依頼した。アプリ試用後に、iPadにて無記名式アンケート(全盲・弱視・晴眼の別、System Usability Scale[以下、SUS])への回答を依頼した。調査結果は、概ね肯定的ではあるが、十分な満足度とはいえない評価であった。SUSで低評価だった項目から、参加者はアプリの操作が「複雑」で「習得が困難」である点に不満を感じたと推測する。また、今回の調査は、COVID-19感染対策として操作マニュアルの配布のみで操作説明を行った点、個人情報保護のためにタブレット端末に操作制限を設定していた点、参加者にタブレット端末の操作自体に不慣れな者が含まれていた点が、バイアスとなってアプリそのものの評価に影響した可能性がある。今後、より詳細な課題の抽出を行い、アプリの改善を行う必要がある。
成果の公表として、本調査の成果について学会発表を行った。また、前年度の調査研究の成果は論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目である2020年度は、前年度に実施した調査研究に基づき、アプリ開発(α版)を完了し、開発したアプリの実証調査を実施した。 研究は概ね計画通りに進捗している。ただし、COVID-19感染対策のため、実証調査は規模を大幅に縮小しての実施となった。また、発表を予定していた学術大会が延期となったため、成果発表が予定よりも少なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの成果から、引き続き、臨床用評価支援アプリのバージョンアップに取り組む。 また、研究計画に基づき、一定度までアプリの改善が進んだ後は、可能な限り早期にアプリを公開し、成果を還元するとともに、広くフィードバックを得る予定である。
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Causes of Carryover |
研究2年目である2020年度は、前年度に実施した調査研究に基づき、アプリ開発(α版)を完了し、開発したアプリの実証調査を実施した。 アプリ開発において、当初はアプリケーション開発を外部委託する予定であったが、視覚障がいアクセシビリティや臨床医学領域の専門性に対応可能な委託先の選定が困難であったため、現在、研究代表者がアプリケーション開発を行っている。そのため、アプリケーション開発委託予算分の支出が大幅に削減されている。 今後、予定している研究の遂行と共に、より発展的な研究の実施を視野に入れ、計画的かつ有効に予算を執行する。
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Research Products
(1 results)