2022 Fiscal Year Research-status Report
核融合炉壁材料中の水素同位体深さ分布のプラズマ照射エネルギー依存性
Project/Area Number |
19K14692
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
矢嶋 美幸 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70749085)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | タングステン / 水素同位体 / プラズマ壁相互作用 / 核融合 / イオンビーム / ヘリウムバブル / 分子動力学 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
核融合炉候補材料であるタングステンにヘリウムが照射されると、タングステン表面近傍にヘリウムの集合体(以下、ヘリウムバブルと表記する)が形成されることがわかっている。ヘリウムバブルが形成により水素同位体の拡散を阻害、あるいは、ヘリウムバブルの連結により水素同位体の脱離を促進することが示されてきた。しかし試料中の水素同位体分布については、まだ十分に明らかになってはいない。特に核融合デモ炉の設計・運用に寄与する、入射イオンエネルギー依存性に関する基礎データは未だ得られていない。そこで本研究では核融合科学研究所が所有するイオンビーム解析装置を用いて、ヘリウムバブルが形成した試料中の水素同位体保持量の深さ分布について明らかにすることを目指す。 該当年度は核反応解析法(NRA)分析の為の環境整備を実施した。具体的には、ロシアの国際共同研究者らとのディスカッションのもと選定した検出器の取付およびその他計測に必要な機器の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は年度途中から申請者は産休・育休を取得したが、産休・育休を取得前に核反応法(NRA)分析のための検出器の選定・購入、検出器用ホルダーの作製、その他計測に必要な機器の準備を整えた。復帰後はそれら計測機器を用いて水素同位体の深さ分布計測を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
イオンビーム解析装置を用いて弾性反跳粒子検出法(ERDA)およびNRA分析を実施し、ヘリウムバブルが形成した試料中の水素同位体保持量の深さ分布について明らかにする。
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Causes of Carryover |
年度途中から産休・育休を取得したため。
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