2020 Fiscal Year Research-status Report
Revealing Massive Star Formation through Theory and Observation
Project/Area Number |
19K14760
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
田中 圭 国立天文台, アルマプロジェクト, 特別客員研究員 (20634455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ALMA / 大質量星原始星 / 模擬観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では理論と観測の両面から大質量星形成過程の解明に取り組んでいる。大質量原始連星IRAS16547-4247に対するALMA高分解能観測によって、原始星円盤に付随する塩化ナトリウム(NaCl), ケイ素化合物(SiO, SiS), 振動励起した水(H2O v2=1)のガス分子輝線を検出した (Tanaka et al. 2020)。星形成領域において難揮発性物質ガス分子が検出されることは稀で、特にNaClが発見されるのはこれが2例目である。大型有機分子などの典型的なホットコア分子が1000auスケールのエンベロープ構造をトレースするのに対して、難揮発性物質ガス分子や振動励起した水の分子輝線は原始星近傍100auスケールの円盤構造の良いプローブとなることが分かった。ダスト破壊によって生成される難揮発性分子ガスや、高励起状態(Eu/k>3000K)の水蒸気の存在は、大質量原始星円盤の熱くダイナミックな様子を示唆していて、このような「ホットディスク分子」は今後の大質量原始星観測の重要なツールとなることが期待される。さらに難揮発性物質の輝線観測は、星形成領域における金属元素や太陽系最古の隕石包有物(CAI, コンドリュール)の起源にも新たな知見を与える可能性も秘めている。この他にも、ALMAを用いた大マゼラン雲中の原始星アウトフローサーベイの解析も進めており、低金属量環境における大質量星形成の力学過程/化学多様性についても観測的制限が得られつつある (Tanaka et al. in prep.)。また理論面では、非理想MHD効果とダストサイズ依存性 (Marchand, Tomida, Tanaka et al. 2020)や、光解離領域の化学特性(Bisbas, Tan, Tanaka 2021)など、いずれも観測に対する指針を与える重要な結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね計画通り研究が進められている。特にALMA観測では想定していた以上に多くのデータを取得できており、期待以上の発見に繋がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もさらに既に得られている観測データの解析を進めると共に、詳細な理論計算を並行して進めることで、大質量星形成過程の包括的理解につなげたい。
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Causes of Carryover |
感染症拡大の影響を受けて、国内外での共同研究や学会のための出張が全てキャンセルまたは延期となったため次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせ、延期になった国際会議などの参加、共同研究出張などのために使用を予定している。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] Salty Twin Disks in IRAS 16547-42472021
Author(s)
Kei E. I. Tanaka, Yichen Zhang, Tomoya Hirota, Nami Sakai, Kazuhito Motogi, Kengo Tomida, Jonathan C. Tan, Viviana Rosero, Aya E. Higuchi, Satoshi Ohashi, Mengyao Liu, & Koichiro Sugiyama
Organizer
The 237th AAS Meeting
Int'l Joint Research
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