2022 Fiscal Year Annual Research Report
火星の角礫岩隕石Black Beautyには火星の有機物が保存されているのか?
Project/Area Number |
19K14780
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
菅 大暉 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 研究員 (70827568)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 火星隕石 / 有機物 / 水-岩石相互作用 / STXM / STEM / NanoSIMS / SFXM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、火星角礫岩隕石Black Beautyから火星表層由来の有機物を見つけて、その形成・進化過程を解明し、最も妥当な起源を決定することである。2022年度は、追加分析を実施し各種分析データの解析をさらに進め、解釈を随時更新した。そして得られた結果を学会や研究会で発表するなどしつつ論文原稿を完成させた。また、研究期間全体を通して研究は問題なく遂行された。 Black Beautyにおける「有機物と鉱物の共進化過程の解明とその起源」に関して、2022年度は解析・解釈を進めつつ、同時並行で論文執筆を進めドラフトを作成した。解釈は2021年度までの報告と相違ない方向性であり、2023年度以降には論文として報告予定である。 また、上記との比較対象のために推進した「ナクライトのイディングサイト変質脈中における二次鉱物組成と微量元素分布/化学種の関係の研究」については、2021年度に微量元素から復元された変質プロセスに関する内容で国際学術雑誌にて報告済みである。2021度に新たに得られた重要な技術的知見に対しては、2022年度に必要な追加データの取得と解析を行って論文ドラフトを完成させた。2023年度中に国際学術雑誌へと投稿予定である。 加えて2022年度には、Black Beauty分析で得られた知見やプロトコルを用いて、地球外有機物分野において非常に重要な立ち位置となる「小惑星リュウグウ中の有機物や有機硫黄化合物の分析」も行った。重要な知見が得られたため、こちらも現在論文として執筆中であり2023年度中に論文として国際学術雑誌への掲載を目指している。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Sulfur-XANES of intact Ryugu grains and the isolated IOM2022
Author(s)
H. Suga, Y. Tamenori, H. Yabuta, H. Yurimoto, T. Nakamura, T. Noguchi, R. Okazaki, H. Naraoka, K. Sakamoto, S. Tachibana, S. Watanabe, Y. Tsuda, and the Hayabusa2-initial-analysis IOM team
Organizer
Hayabusa 2022 Symposium
Int'l Joint Research