2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a measurement system for volcanic gas compositions using an unmanned aerial vehicle
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19K14806
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
森田 雅明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (40805149)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 火山ガス / ドローン / Multi-GAS / 噴火 |
Outline of Annual Research Achievements |
火山活動推移の予測・評価のためには,噴火事象の進展を定量的に解釈する必要がある。近年の火山ガス組成観測から,深部マグマ溜まりからの火山ガス供給の増加が,噴火発生の要因であるという仮説が提唱されている。しかし,噴火時の測定には危険がともなうため,実際の測定例は非常に限られている。そこで本研究では,噴火時にも火口近傍に接近できるドローン搭載型の観測システムを開発し,噴火時に放出される火山ガス組成を観測することにより,噴火発生の要因となった火山ガスの起源を明らかにすることを目標とする。 本年度は,昨年度製作したドローン搭載用Multi-GASの試験機を改良した。使用するマイコンボードをArduino Unoに変更し,通信ボードも変更した。この改良版試作機を用いた試験観測を,京都大学火山研究センターの協力を得て,2022年1月に阿蘇山の中岳火口で実施した。しかし,現地でマイコンボードにトラブルが発生した。現在原因を調査中であるが,制御のマイコンボードに接続不良があること,制御プログラムにミスがあったことが原因として考えられる。コロナ禍で出張がままならず,試験観測が十分に行えなかった。来年度は上記トラブルを解決し,阿蘇山での試験観測を行い,装置を完成させる。また,他の資金による観測が箱根山や霧島硫黄山で実施できる可能性があるので,それらの機会に観測を実施し,本研究で製作した装置のテストを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により,試験観測のための出張が制限され,十分に観測が実施できなかったため,当初の予定より開発が遅れている。また,試験観測の際に制御のマイコンボードにトラブルが発生し,その原因を調査している段階であり,装置の完成には至っていない。次年度はこれらの問題を解消できると考えられるので,装置の製作と阿蘇山での試験観測を進め,装置の完成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
試験観測は,阿蘇山を対象として実施する。現地の京都大学火山研究センターとは密に連携をとっており,試験観測の実施体制は十分確保されている。また,他の資金による観測で,箱根山や霧島硫黄山での観測も予定されているため,これらの機会を活かして観測を実施する。 試験観測時に発生したトラブルは,調査の結果,制御ボードとSDカード用データロギングボード,通信ボード等の接続に不良がある可能性と,制御プログラムの異常に起因すると考えられる。この部分を解決するために,慎重に再度ボードのはんだ付けを行い,装置を製作する。また,ガスセンサー部と制御ボードをぎりぎりの大きさの筐体に収納していたため,少しの衝撃で接触不良になっていると考えられるので,そのあたりの設計も見直すことにする。これらを改善し,次年度の試験観測に間に合うように装置を完成させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、出張が制限されていたため、試験観測が想定していた回数ほど実施できなった。そのために、旅費として確保していた資金が余ったので、次年度使用額が発生した。この分は、次年度の装置改良のための消耗品購入と、試験観測(阿蘇山)の旅費に使用する。
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