2019 Fiscal Year Research-status Report
数理的手法による鉱物の溶解反応モデル選択とパラメータ抽出
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19K14827
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大柳 良介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 特別研究員(PD) (90835729)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 溶解速度 / カンラン石 / 水熱実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
鉱物の溶解速度は,水ー鉱物相互作用の時間スケールを制約することができる重要なパラメータである.さらに,二酸化炭素地中貯留などの地圏利用技術を評価することができる基礎的なパラメータである.本研究では,カンラン石の溶解速度を明らかにする.本研究は大きく分けて(1)「熱水条件下におけるカンラン石の溶解速度測定」,及び(2)「データ駆動型手法による溶解速度パラメータの取得」の2つサブテーマから構成されている. 本年度は,(1)の「熱水条件下におけるカンラン石の溶解速度測定」について主に研究を進めた.まず,JAMSTECに設置されていた流通式水熱実験装置を立ち上げ,幅広いレンジで流量が調節できるようになった.また,当該実験装置を用いて,熱水条件下におけるカンラン石の溶解速度測定に挑戦した.溶液組成をICP-AESにより測定し,溶液組成の時間発展を観察した.結果,200℃におけるカンラン石の溶解速度測定に初めて成功した.溶液組成の時間発展から,カンラン石の溶解の反応初期段階においては,MgとSiの量比が非化学量論的であったが,反応がすすむにつれ化学量論的溶解をすることがわかった.これは既往の低温における溶解速度測定と調和的であった.また,これまで報告されたカンラン石の溶解速度の中で一番高温だった150℃における溶解速度と比較して,200℃における溶解速度は遅いことがわかった. これらの成果は幕張メッセで開催された日本地球惑星科学連合大会や,日本鉱物科学会の年会で公表し,会議参加者と議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,カンラン石の熱水条件下における溶解速度測定に初めて成功した.まだ限られた温度条件のみの計測であるため,次年度以降はより幅広い温度条件における溶解速度の計測を試みる.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は,200℃におけるカンラン石の溶解速度測定に初めて成功した.同様に,より高温の300℃におけるカンラン石の溶解速度測定についても挑戦した.しかし,二次鉱物が析出してしまい,溶解速度のみを測定することに成功していない.実験条件の1つである流体の流速が遅かったため二次鉱物が析出し,溶解速度のみを計測できなかったのだと考える.今後は,300℃においても溶解速度を計測できる最適な実験条件を探りつつ,幅広い温度条件におけるカンラン石の溶解速度測定を行う.
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Causes of Carryover |
実験装置修繕費用を計上していたが,当該年度は実験装置が安定して動作しており,次年度使用額が生じた.次年度は,実験装置に交換が必要な部品が多くあると予想される.そのため,これらは実験装置の消耗品購入費として使用する.
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Hydrothermal Alteration of the Crust-Mantle Transition and Upper Mantle in the Samail Ophiolite: Insights from the Oman Drilling Project2019
Author(s)
Gretchen L. Fruh-Green, Marta Grabowska, Ryosuke Oyanagi, Kosuke Kimura, Atsushi Okamoto, Tomoaki Morishita, Akihiro Tamura, Frieder Klein, Damon A. H. Teagle, Eiichi Takazawa, Judith A. Coggon, Juerg M. Matter, Peter B. Kelemen, and OmanDP Phase 2 Science Party
Organizer
European Geosciences Union General Assembly 2019
Int'l Joint Research
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