2021 Fiscal Year Research-status Report
数理的手法による鉱物の溶解反応モデル選択とパラメータ抽出
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19K14827
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| Research Institution | Kokushikan University |
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Principal Investigator |
大柳 良介 国士舘大学, 理工学部, 講師 (90835729)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 溶解速度 / カンラン石 / 水熱実験 / 析出速度 / 律速過程 / 蛇紋岩化作用 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
これまで、かんらん石と海水を反応させる流通式水熱反応実験から、溶液化学組成の時系列データを得ていた。 本年度は，これら時系列データの解析に関して再検討を行った。マスバランス計算の結果、かんらん石の溶解速度と蛇紋石の析出速度を独立して導出できる計算スキームを見出し、実験データの解析に適用した。その結果、かんらん石の溶解速度と蛇紋石の析出速度は時間とともに減少することがわかった。また、モンテカルロ法を応用した分析から溶解速度や析出速度を誤差を含めて推定することに成功した。
また、実験で得られた溶液化学組成のデータを詳細に理解するために、鉱物－水間の反応フォワードモデルであるGeochemical Reaction Pathモデリングを行った．かんらん石の溶解に関する有効反応速度定数(k'_{Ol})と蛇紋石の析出に関する有効反応速度定数(k'_{Srp})の比を変化させたモデル計算を行った結果，比の値によって，反応後の流体化学組成（イオンの活動度）が大きく変化することがわかった．k'_{Srp}/k'_{Ol}の値が１より小さい場合，反応後の流体化学組成は活動度ダイアグラム上における相境界と鋭角で交わることを見出した．一方，k'_{Srp}/k'_{Ol}の値が１より大きい場合，反応後の流体化学組成は活動度ダイアグラム上における相境界に沿って変化する．これらのモデル計算から得られた特徴を実験データと比較した結果，蛇紋岩化反応は200-300度ではかんらん石の溶解に律速され，170度では蛇紋石の析出に律速されている可能性を見出した．
これらの成果はChemical Geology誌に掲載された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は，かんらん石の溶解速度のみを決定することであった．しかし，予期せず，実験ではかんらん石の溶解と蛇紋石の析出の両方が起きてしまうことが判明し，かんらん石の溶解速度のみを決定することが一筋縄ではいかなくなってしまった．これを克服するために数理的な解析を再検討した結果，当初目的にしていたかんらん石の溶解速度のみならず，蛇紋石の析出速度についても導出することができた．
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| Strategy for Future Research Activity |
２６０－３００℃におけるかんらん石の溶解速度および蛇紋石の析出速度の両方を独立に決定することができた．今後は，これらのデータと既存のデータをコンパイルし，数理的な手法を用いた回帰を行う．その結果，幅広い温度（２５－３００℃）においてかんらん石の溶解速度や蛇紋石の析出速度を予測できるモデルを提案できるように取り組む．
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| Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響や，申請者の任期満了に伴う属機関変更により，次年度使用額が生じた．次年度使用額は，実験消耗品の購入，解析に関する消耗品，分析委託料，英語校正費用として計上する予定である．
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[Presentation] Inversely depleted forearc mantle section records the subduction zone infancy: Umigame Seamount, Bonin Trench2022
Author(s)
Katsuyoshi Michibayashi,Suzu Saito,Yuki Kakihata,Yumiko Harigane,Atsushi Okamoto,Ryosuke Oyanagi,Kohei Hatakeyama,Ikuo Katayama,Osamu Ishizuka,Shigeaki Ono
Organizer
Japan Geoscience Union Meeting 2022
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