2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K14872
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
富山 真一 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 事業化支援本部地域技術支援部城南支所, 副主任研究員 (40614524)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | X線CT / 鋳巣検出 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、CT 断面画像のアーチファクトを低減させ、金属部品の内部欠陥を高精度に自動検出するアルゴリズムの開発である。金属部品の内部欠陥検出の問題点は、CT断面画像内に含まれるアーチファクトが欠陥として判別される点と欠陥の判別方法が手動で設定した画素値の閾値によるため、誤検出と未検出が生じる点にある。そこで、2019年度はCT断面画像内に含まれるアーチファクトを低減させるアルゴリズムについて検討した。具体的な成果は以下の通りである。 (1)同一サンプルで撮像条件(管電圧/管電流/フィルタ/平均化枚数)を変更したCTデータを取得し、アーチファクトの変化を調査をした。その結果、管電圧と管電流の大きさおよびフィルタの設定が、アーチファクトの変化の原因であることを確認した。また、平均化枚数の変化で、アーチファクトは多少変化するが、欠陥検出には影響がないことを確認した。 (2)試料内の穴に対し、CMMで半径を測定した値と(1)で作成した各撮影条件のCTデータで半径を測定した値を比較した。その結果、(1)と同様に、管電圧と管電流およびフィルタの設定により、大きな誤差が生じていることを確認した。 (3)(1)で作成した各撮影条件のCTデータに対し、肉厚検査を行い、最小偏差および最大偏差を比較を実施した。その結果、肉厚検査の最小偏差と最大偏差に大きな変化が生じることを確認した。 (4)(1)-(3)を基に撮影条件の設定方法を決定した。また、アーチファクト低減アルゴリズムの基盤を開発した。アーチファクト低減アルゴリズムは、2020年度に実施する分布や形状に依存しない内部欠陥自動検出するアルゴリズム開発の適用結果に応じて改良する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度はCT断面画像内に含まれるアーチファクトを低減させるアルゴリズム開発を目標としていた。前項の研究実績の概要で記載した研究を実施することで、撮影条件の設定方法を決定とアーチファクト低減アルゴリズムの基盤を開発した。以上の点からおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は分布や形状に依存しない内部欠陥自動検出するアルゴリズムを開発する。閾値による欠陥判別をさけるため、特徴量の比較技術を活用した欠陥判別方法を検討する。以下の流れで研究を実施する。 (1)画像内の物体を抽出するアルゴリズムを開発する。 (2)抽出された物体の特徴量抽出を行い、欠陥の判別を行うアルゴリズムを開発する。必要に応じて、2019年度に開発したアーチファクト低減アルゴリズムを改良する。 (3)開発した内部欠陥自動検出アルゴリズムを数サンプルの金属部品に適用し、提案手法の有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
X線CTの撮影データを記憶するハードディスクの購入、学会発表などの旅費として使用する計画である。
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