2019 Fiscal Year Research-status Report
Low-frequency vibration monitoring based on hetero-core fiber optic sensor
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19K14930
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山崎 大志 創価大学, 理工学部, 助教 (30822663)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光ファイバセンサ / 構造ヘルスモニタリング / 異常診断 / ヘテロコア / 加速度センサ / 振動計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、屋外環境下で長期的に行われる構造ヘルスモニタリングに適した新たなセンシング技術として、任意箇所の曲げ量を光強度変化として測れるヘテロコア光ファイバセンサを用いた振動センサ及びモニタリングシステムの構築を目指す。具体的には、検査対象の固有振動や非定常な振動パターン、構造物の発する振動音に応答するセンサ方式を開発し、周波数特性の最適化方法を調査する。 2019年度前半では、ヘテロコア部および変位‐曲げ変換機構の構成を調整し、ヘテロコア光ファイバセンサの変位に対する感度の調整方法の検討を行った。その結果、ファイバのクランプ距離を調整することでマイクロ歪みの微細な変状を検出できるほど感度向上させることが可能となった。 2019年度後半では、提案する3方式((a) 振り子方式、(b) ファイバ梁方式、(c) マイクロフォン方式)の内、数十Hz~数kHzの周波数帯域に応答しうる(b) ファイバ梁方式に着目してセンサ設計と特性評価を行った。ファイバを円弧状にして両端を固定するセンサ構成では、センサ部を含むファイバ梁の曲げ方向を一意に決めることで円弧に平行な軸方向の加速度に対して感度をもたせることが可能となった。また、終端反射加工を施したカンチレバー構造のファイバセンサでも共振周波数1980 Hz、感度7.1×10^-2 dB/Gを実現した。さらに、(a) 振り子方式の加速度計を既存の高架橋橋央部に設置し、車両走行時における橋梁のたわみ量推定試験を実施した。その際、1 Hz以上の周波数成分に限り橋梁の固有振動数・動的変位を推定できることを既存の加速度計との比較を通して実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.【ヘテロコア光ファイバの変位に対する感度調整法の確立】 加速度センサの性能は感度と周波数帯域に関してトレードオフの関係をもち、より広域な周波数帯域・高感度な加速度センサを実現するためには、振子の振動に対する感度そのものを向上させる必要がある。そこで、ヘテロコア光ファイバのファイバ構造または曲げ―変位変換機構の見直しを行い、ファイバクランプ距離を調整することでマイクロ歪みを検出できる程まで感度を向上できることを実証した。 2.【振動子の選定とセンサがもつ周波数特性の調整法の確立】 本研究で提案した3方式の内、(b) ファイバ梁方式に焦点を当ててセンサ設計と性能評価を行った。その結果、円弧状のファイバ梁方式と終端反射加工を施したカンチレバー方式のセンサ構造において、感度7.1×10^-2 dB/G, 共振周波数1980 Hzの性能を実現した。(a) 振り子方式、(c) マイクロフォン方式は、1.の検証結果に基づく具体的なセンサ設計を進めており、それらの動作検証は次の課題として残っているが、速やかにセンサ性能の検証段階に入る予定である。 3.【構造物の振動パターン計測およびデータ解析方法の検討】 1. 振り子方式の加速度計を用いて、実際に使用されている高架橋橋央部にセンサを設置し、車両走行時の振動測定試験を実施した。結果として、提案する加速度計により高架橋の固有振動数及び 1 Hz以上の動的変位成分の計測が可能であることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のとおり、2019年度の予定は概ね完了し、特に提案するセンサ方式の内開発が進んだものは、実地環境における高架橋を対象とした振動モニタリング試験を実施してデータ解析方法の検討段階に入った。2. 【振動子の選定とセンサがもつ周波数特性の調整法の確立】では、(b)ファイバ梁方式センサを試作し、2 kHz以下の周波数帯域で振動計測を行えることを実証した。(a), (b)のセンサ方式は、前年度に取り組んだヘテロコア光ファイバセンサの感度調整法を反映した再設計を進めており、それらの動作検証は次の課題として残っている。また、動力装置の振動計測試験を実験室内で実施するため、モータ、ギア等の基本要素を備えた振動発生装置を試作し、試作したセンサのモニタリング性能試験を行う。
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Causes of Carryover |
設備備品費は、消耗品費ほぼ予定通り執行した。 (使用計画)本年度に報告する計画だった研究論文の投稿を現在進めており、英文校正費および投稿費を2020年度に繰り越す。
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Research Products
(7 results)