2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of MPB free piezoelectric materials by reversible ferroelastic domain switching
Project/Area Number |
19K15288
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
清水 荘雄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 独立研究者 (60707587)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 強誘電体 / 非鉛圧電体 / ドメインスイッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目にあたる2021年度は、新規非鉛強誘電体における巨大圧電性発現について研究を行った。本研究では、これまで圧電体探索の基本となっていたモルフォトロピック相境界をはじめとする相境界に依拠せず、強誘電体の異方性によって導入されるドメイン構造の応答を用いた巨大電気機械応答の実現を目指している。 2019年度に達成したチタン酸ジルコニウム鉛(PZT)における巨大圧電性発現をもとにして、非鉛圧電体材料であるチタン酸ビスマスナトリウム-チタン酸バリウム(BNT-BT)固溶体材料について研究を行った。前年度に行った実験よりもチタン酸バリウムの量を増加させた、0.7BNT-0.3BTにおいてドメインスイッチングを利用した巨大圧電性の発現を実証した。 試料としては、、0.7BNT-0.3BT 膜をSi上に堆積させた1軸配向膜を用いた。BNT-BT のモルフォトロピック相境界はBTの量が0.06付近であり、この組成は相境界から十分離れている。PZT膜において観察されたものと同様に、高電圧によってポーリング処理を行うことによって圧電性の向上が観測され、d33=270 pm/Vの値を得ている。さらに、この圧電特性が電場誘起ドメインスイッチングによって引き起こされていることを電場下のX線回折測定によって確認することができている。また、カンチレバー状に加工した試料を用いて、圧電応力定数を測定したところ、e31=19C/m2の値を観測しており、この値は非鉛圧電材料として、最高の値である。 以上のように、本研究で目的としたモルフォトロピック相境界に依拠しない巨大電気機械応答について、鉛含有・非鉛圧電体ともに実現することができた。
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