2021 Fiscal Year Research-status Report
わが国牛肉の需要・市場構造と関税削減影響に関する計量経済学的研究
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19K15920
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 昂也 九州大学, 農学研究院, 助教 (70757955)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 牛肉 / 計量経済分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、わが国農業における最重要品目の1つである牛肉について、その需要・市場構造の計量経済分析を行うことを通して、CPTPP協定や日米貿易協定などの自由貿易協定が国産牛肉生産に与える影響について考察することである。 第1の小課題「国産牛肉と輸入牛肉の差別化」は、需要体系モデルを用いて、国産牛肉と輸入牛肉の競合の程度を需要の価格弾力性として推計することを目的としている。今年度は、既存の結果よりも精緻な需要の価格弾力性を得るための方法として、推計パラメータのバイアスを減少させる方法を見出した。具体的には、需要体系モデルの理論的制約条件を満たした上で、dynamic OLSを適用するとともに、誤差項の自己相関を修正する方法を整理し、そのための推計プログラムを作成した。 第2の小課題「牛肉輸出国のわが国市場に対する市場支配力」については、今年度、分析モデルおよび推計方法の選定を完了した。また、わが国の2大牛肉輸入相手国であるアメリカおよびオーストラリアを中心として、データセットを作成した。 第3の小課題「国内における輸入牛肉の価格伝達性」については、今年度、データの検討を行った。具体的には、価格データの種類やそのサンプリング方法について、丁寧に考えるべき事項が生まれたため、その点について検討を行った。 さらに、上記小課題の達成によって得られると予想される結果から、自由貿易協定が国産牛肉生産に与える影響についてどのような考察が行えるかについて検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度予定していた、第2もしくは第3の小課題を達成するまでに至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度は、第2および第3の小課題を中心に遂行する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学会大会がオンライン開催になるなどの変更があり、旅費等の使用が不要になったため。
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