2020 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型TREEシステムを用いた新規エピゲノム編集技術の開発とがん研究への応用
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19K16111
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐久間 哲史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (90711143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CRISPR-Cas9 / エピゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、前年度に基盤整備を実施したFORESTシステムについて更なる解析を進めた。まず、FORESTシステムにおけるチャンピオンの構造体を決定すべく、HEK293T細胞を用いて複数の遺伝子座(RANKL、MMP9、CTCFL)でRNAアプタマーおよびポリペプチドタグの総当たり実験で機能検証を行った結果、驚くべきことに、遺伝子座によって最適なシステムが異なるにもかかわらず、同一遺伝子内であれば標的領域が異なっていても近しい傾向を示すことが明らかとなった。また、同細胞株に加えてMCF-7細胞を用いて、各遺伝子座での転写活性化効果を従来型システム(SAM, dCas9-SunTag, dCas9-VPR)と比較検討した結果、全ての事例において、EARTHコレクションのシステム群のうち少なくとも一つが、従来型システムの効果を有意に上回ることを実証したが、やはりケースバイケースで最適なシステムが異なることが示された。
これらの結果から、各細胞株・各遺伝子座における転写活性化の最適システムは一様ではなく、標的細胞株・標的遺伝子座ごとに最大限の効果を得るためには、多様なシステム群を整備しつつオーダーメイドでシステムを選択する必要があることが明らかとなった。以上よりFORESTシステムと仮称していた本システムの名称を、「EARTH」(Effectors Accumulated by RNAs and Tags for High activity)コレクションと改め、オーダーメイド転写活性化プラットフォームとしての技術開発を完了した。
このように最適な人工転写活性化システムを細胞株や遺伝子座に依存して選択できる包括的なプラットフォームを確立したことにより、エピゲノム編集のみならず塩基編集、ライブイメージングなどさまざまな用途への応用が見込まれる高活性かつ高汎用性技術の開発に成功した。
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Research Products
(15 results)