2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K16222
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Research Institution | The Museum of Nature and Human Activities, Hyogo |
Principal Investigator |
京極 大助 兵庫県立人と自然の博物館, 兵庫県立人と自然の博物館, 研究員(移行) (00771875)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 棲み分け / 種分化 / 隔離強化 / ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、交雑を回避するための進化による資源利用幅の多様化を数理モデルにより解析するとともに、数理モデルの重要な仮定である生物の生理的な資源利用幅の進化パタンを文献調査により明らかにすることを目的としている。数理モデル研究については、モデルの解析を従来よりも多角的なアプローチにより行うことで、その挙動について理解が深まった。特に、オスとメスが経験する性特異的な選択圧とその生態学的な原因について理解が深まった。この結果は、これまでほとんど研究の進んでこなかった、交雑回避が駆動する分散行動の進化について新たな視点を提供するものである。こうした研究成果の一部は投稿論文としてまとめている最中である。 文献調査については検索キーワードの選定を行い、データベースを用いた文献検索を行った。キーワードの選定にあたっては重要な関連研究がきちんと拾われるかなど、多角的な検討を行った。なお、キーワードの検討および解析方針の検討を進める過程で対象とする分類群を再考する必要に迫られたため、研究インパクトおよび研究の実現可能性を検討し、ひとまず対象を食植生昆虫に絞ることとした。キーワード検索では約4000の論文がヒットした。これらの論文には含まれているべき重要文献が期待された通り含まれていることを確認している。現在は一次スクリーニングとして、タイトル及びアブストラクトによる論文のフィルタリングを行っており、すでに2割程度の論文のフィルタリングが完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数理モデル研究、文献調査ともに、予定通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
数理モデルは、すでに論文にまとめ始めている内容について2021年度中に学術誌への投稿を予定している。また追加の解析を並行して進める。文献調査は一次スクリーニングを終え、二次スクリーニングの後にメタ解析を行う。系統距離の扱いについては専門家と協議する。また研究が順調に進展しているため、理論予測の実証に向けた予備的な実験をシロイヌナズナを用いて進める予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度には文献調査(メタ解析)における系統的距離の扱いなどについて、専門家と密に議論を行う必要がある(国立遺伝学研究所への出張等を予定)。また研究成果を論文や学会発表の形で公表する予定である。主にこれらの活動に必要な経費として次年度使用額を決定している。
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Research Products
(10 results)