2019 Fiscal Year Research-status Report
オートファゴソーム形成に着目した骨髄異形成症候群の予後解析と層別化
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19K16582
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大西 威一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70750214)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / オートファゴソーム / LC3B / 予後解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、オートファゴソーム形成時に発現するLC3Bの免疫染色の妥当性について、骨髄異形成症候群(MDS)由来細胞株SKM-1細胞を用いて、従来の蛍光免疫染色と、ホルマリン固定パラフィン包埋切片を用いた酵素抗体法の染色性を比較した。細胞の栄養飢餓状態下において、酵素抗体法においても、オートファゴソームの形成を遜色なく確認できた。当教室で構築したMDSデータベースの更新、症例の追加を行い、合計59症例についてLC3B免疫染色を施行した。LC3B発現群では有意に予後不良となることを確認した。またMDS患者パラフィン包埋切片(FFPE)36検体よりDNA抽出を行い、U2AF35 S34F変異の有無について、独自にプライマーを設計し、PCRにて増幅後、サンガー法にて確認した。その結果、1症例がU2AF35 S34F変異を有していた。 以上より、MDS患者FFPEを用いた、酵素抗体法免疫染色にて、オートファゴソームの有無を確認することが可能であり、オートファゴソームを有する症例においては、有意に予後不良であることが示された。腫瘍細胞内でのオートファゴソームの有無により、患者の予後を簡便に層別化が可能であると考えている。オートファゴソーム形成のある症例については、オートファゴソーム阻害により、予後を改善できる可能性がある。 2020年度は、SKM-1培養細胞を用いて、オートファゴソーム阻害剤であるクロロキンと、MDS治療薬による細胞増殖抑制効果を検討している。2020年度中には論文投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は研究計画に記載したように、酵素抗体法による免疫染色の妥当性、LC3B免疫染色によるMDS患者予後解析、U2AF35遺伝子変異の有無を検討した。 2020年度も培養細胞株を用いた実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は上記のように細胞株を用いた治療実験を行う予定である。2020年度中には論文投稿予定である。
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