2019 Fiscal Year Research-status Report
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍と周辺疾患:稀少腫瘍の診断法開発と病態解明
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19K16596
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
坂本 佳奈 公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (50778008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm, BPDCN)は、予後不良な稀少造血器腫瘍であるが、その病態の解明はいまだ不十分である。研究代表者らは、独自に全国ネットワークを形成し、過去最大数となる118 例の検体と臨床情報を52機関から収集し、MYC異常の有無によりBPDCNがMYC+BPDCNとMYC-BPDCNの2 群に層別化されることを発見した。しかし、さらにBPDCNの本態を解明するにあたり、診断基準が確立されていないことがその妨げとなっている。また、BPDCNと鑑別が問題となるBPDCN周辺疾患には、BPDCN同様に稀少な疾患・病態が含まれており、その診断方法の検討、病態解明も不十分である。 本研究の目的は、BPDCNおよび周辺疾患について、簡便で精度が高く、実用的な診断基準を明らかにし、それに基づいて症例群を適切に整理し、病態解明へとつなげていくこと、である。2019年度は、BPDCNおよび周辺疾患の検体および臨床情報の収集を進め、臨床病理学的解析を行った。複数の免疫学的マーカーの発現有無・強度や、MYCなどをターゲットとするFISH所見について解析し、これらの疾患を正しく鑑別する診断アルゴリズムの検討を行った。解析結果の一部については第108回日本病理学会総会で発表した。不均一性を示す検体については、特に詳細な免疫学的マーカー所見の検討などにより病態を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
稀少疾患であり、検体の収集は困難であることが予想されたが、一定数の検体について各種解析を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
検体の収集をさらに進め、臨床病理学的解析、次世代シークエンサー等を用いた解析を併せて検討し、診断方法の確立、病態解明を目指す。
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Causes of Carryover |
稀少疾患の少量検体を用いた次世代シークエンサーによる解析について、最適な条件の検討を慎重に行い時間を要した。次年度使用額と2020年度助成金とを合わせて、当該解析に必要な試薬の購入等に用い、最適な条件で多数検体をまとめて解析することにより、効率的な検討を行う。
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