2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of new in vitro phenotypic assay to detect the artemisinin resistant Plasmodium falciparum
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19K16631
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 美恵 順天堂大学, 大学院医学研究科, 学振特別研究員(RPD) (40734314)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アルテミシニン耐性 / マラリア原虫 / Pyknotic form / RSA / 原虫密度 / ヘマトクリット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マラリア第一選択薬アルテミシニンへの耐性原虫検出法であるring-stage survival assay (RSA)法の解析方法を改良し、より簡便なin vitro耐性検査法を開発することを目的としている。 本研究開始時、RSAではアルテミシニンによって出現するpyknotic formと耐性の関連を疑っていた。これまでの解析によって、アルテミシニン耐性の有無とpyknotic formの出現頻度には相関がみられないこと、実験室での培養条件次第でpyknotic formの頻度が変わることが明らかになってきた。さらにウガンダにおいて実施したRSAの改良法であるqRSAを用いたアルテミシニン疫学調査の結果からも、サンプルのpyknotic form出現頻度は2014年頃とは変わらず、2022年サンプルのアルテミシニン耐性と感受性原虫間での頻度も大きな差は見られなかった。pyknotic formの出現頻度と耐性との関連は薄いと考えられ、pyknotic formの頻度を基に耐性の有無を判定することは困難であると結論付けた。 今年度新たに得た知見として、培養原虫を用いたpyknotic formの出現条件が分かってきた。標準株である3D7を用い、5% ソルビトール溶液での同調培養を2回繰り返し、そこから96時間経過でほぼすべての原虫をpyknotic formにすることに成功した。原虫が同調していること、原虫密度が高いことが影響していると考えられる。また、前者に比べるとさらなる検討が必要ではあるが培養条件でのヘマトクリットを上昇させることもpyknotic form形成に貢献している可能性が高い。これまで安定的にpyknotic formを得ることは難しかったが、上記の培養法を用いることで安定的な解析可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度ウガンダにおいて実施したRSAの改良法であるqRSAを用いたアルテミシニン疫学調査の結果から、ウガンダでのRSAサンプルのpyknotic formの頻度は2014年頃とは変わっておらず、またkelch13変異を持つアルテミシニン耐性原虫と感受性原虫間にも大きな差は見られなかった。この結果は、以前の培養原虫での結果と同様であり、pyknotic formの出現頻度は耐性と直接関連する表現型ではないことを示唆した。 さらに新たな知見として、pyknotic formの出現には、培養状態での原虫密度または赤血球密度が影響する可能性が示唆された。実際にマラリア原虫を同調しながら原虫密度を増やしていことpyknotic formを生成することに成功した。これまで困難であった安定的なpyknotic form解析のための新たな手法となる。
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Strategy for Future Research Activity |
培養原虫を用いたpyknotic formの生成が可能となったため、この方法を用いてpyknoticの解析を行う。さらにウガンダでの疫学調査で実施するRSAの解析にmRNAを用いる計画である。pyknotic formの出現頻度はフィールドでの培養環境の影響で変化するため、DNAを用いた解析ではpyknotic formの影響を完全に除外することは難しい。そこで現地で実施したRSAサンプルを保存し、そこから抽出したmRNAでqPCRを行う。mRNAでの定量によってRSAの解析を容易にする。 また、pyknotic formとよく似た形態である休眠体(Dormant form)との差別化も解析上の重要な課題である。この差別化にもmRNAでの定量法が役立つ可能性がある。それについてウガンダサンプルを用いた検証を予定している。
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Causes of Carryover |
本研究は当初三年計画であったが、2020年度に産休と育休のために年間を通して研究を中断した。現在生じている次年度使用額は、こ2020年度の研究中断によるものである。 2021年度から研究を再開したが、pyknotic formの安定的な作成法を構築することが本年度研究の中心であった。 また海外渡航に関しては、学振特別研究員に支給される特別研究員奨励費を用いて渡航を行ったため、本研究課題での支出を行わなかった。 今後の計画として、pyknotic formの作成法とウガンダフィールドで得たRSAサンプルを用いて、pyknotic formの影響を除外したRSAの定量法を開発する予定であり、予算はこの渡航費やサンプル解析にかかる試薬、消耗品に充てる。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] ウガンダ北部における熱帯熱マラリア原虫アルテミシニン感受性調査2023
Author(s)
池田美恵,吉田菜穂子,Betty Balikagala,平井誠,福田直到,Osbert Katuro,Dennis Anywar,Nirianne M.Q. Palacpac , Emmanuel Aginya ,木村栄作,堀井俊宏,美田敏宏
Organizer
第92回日本寄生虫学会大会
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[Presentation] Efficacy of piperaquine drug in Gulu Northern Uganda2023
Author(s)
Betty Balikagala,Naoko Yoshida, Mie Ikeda, Naoyuki Fukuda, Makoto Hirai, Denis AAnywar, Osbert T Katuro, Gerald Odong, Eisaku Kimura, Nirianne M Q Paracpac, Martin Ogwang, Emmanuel I Odongo-Aginya, Toshihiro Horii, Toshihiro Mita.
Organizer
第92回日本寄生虫学会大会