2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new in vitro phenotypic assay to detect the artemisinin resistant Plasmodium falciparum
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19K16631
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 美恵 順天堂大学, 大学院医学研究科, 学振特別研究員(RPD) (40734314)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アルテミシニン耐性 / 熱帯熱マラリア / Pyknotic form / in vitro 検査法 / RSA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ELISA法を用いて従来法よりも簡単・迅速かつ客観的な解析を可能にし、アルテミシニン耐性レベルを定量的に評価できる改良型in vitro耐性検査法を開発することである。そのためにアルテミシニン処理によって出現するPyknotic formと呼ばれる死原虫に注目し解析を行った。 前年までの解析によって、ART耐性の有無とpyknotic formの形成率に大きな差が無いこと、in vitro条件下ではpyknotic form形成は原虫密度や培養環境のヘマトクリット値に左右されることが分かった。このことは、pyknotic formのみでin vitroのART耐性を評価することが困難なことを示唆する。しかし一方フィールドサンプルにおいては、2014年に比べ2017年、2018年にpyknotic form形成が頻繁にみられるという相反する結果があった。 そこで2023年度は、耐性原虫が出現、拡散しているウガンダのサンプルについてpyknotic formの有無を解析した。その結果、2018年にはほぼ全サンプルでみられていたpyknotic formが2022年, 2023年にはほぼ見られなかった。現地の原虫のART耐性は上昇していることが分かっており(後述)、フィールドサンプルにおいてもART耐性とpyknotic formの形成には関連が無いことが示唆された。 pyknotic formからの解析は困難であったので、RSAの定量性の向上に注力した。薬剤濃度を7段階に設定したqRSAによってART耐性レベルの評価を行った。その結果、2022年、2023年のサンプルでは集団のART耐性が上昇していた。この上昇にはART耐性原虫自体の影響だけではなく耐性遺伝子に変異の無い野生型原虫でもART耐性が上昇したため起こった事象であることを明らかにした。
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