2020 Fiscal Year Research-status Report
炎症性ケモカインIL-8依存的に制御される癌幹細胞の同定と制御機構の解析
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19K16782
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 幹容 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (00774358)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / Cancer stem cells / IL-8 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん幹細胞はがんの転移、再発、薬剤耐性などの原因とされる細胞集団であり、特殊な培養方法により作製されたスフェロイドと呼ばれる細胞集団は、がん幹細胞としての能力をもつと考えられている。これまでの研究からスフェロイドから炎症性ケモカインであるIL-8が大量に分泌されていること、大量のIL-8ががん幹細胞の機能に重要であることを明らかにしている。一方で、全てのがん幹細胞がIL-8により制御されているわけではないことも示された。本研究では、シングルセル化と網羅的な遺伝子発現解析によりIL-8依存的に制御される集団を特定することで、がん幹細胞を標的とした新たなバイオマーカーの発見を目的としている。 本年度はングルセルでの網羅的な遺伝子発現解析を行い、IL-8受容体であるCXCR2発現に依存的なサブグループ群の同定を試みた。その結果、CXCR2依存的なサブグループは4つ存在することが明らかとなった。おそらくこの4つのグループ内に「IL-8依存的に制御されるがん幹細胞集団」が存在すると推測される。したがって各グループ内で特徴的な遺伝子を選出したところ、既に興味深い遺伝子がいくつか含まれることが示されている。現在、さらに遺伝子の選出を進めており、特徴的な遺伝子を発現する細胞集団をセルソーターで回収することで、「IL-8依存的に制御されるがん幹細胞集団」の同定を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-8受容体CXCR2の発現に依存的なサブグループの同定を試みた結果、予想より少ない4つのグループに分けられることが明らかとなった。そのため今後の解析に要する時間が短縮されることが予想される。また現在、各グループ内で特徴的な遺伝子を選出しているが、既に興味深い遺伝子がいくつか含まれることが示されている。これらの点から、本研究の進捗状況はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-8受容体CXCR2の発現に依存的な4つのグループから、それぞれに特徴的な遺伝子を選出する。それらの遺伝子を発現する細胞集団を回収し、IL-8の存在下で100%またはそれに近い細胞がスフェロイドを形成する細胞を「IL-8依存的に制御されるがん幹細胞集団」として同定する。その後、実際にIL-8依存的に制御されるかを証明すると共に、同細胞集団の機能解析を行う。
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Research Products
(2 results)