2020 Fiscal Year Research-status Report
Values and preferences of Japanese elderly cancer patients about decision-making process
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19K16948
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
松岡 歩 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 特任研究員 (70833870)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
<背景>2020年度上半期はCOVID-19の影響のため、患者に対する対面でのアンケート調査が実施困難な状況であり、先行きも全く不透明な状況であった。そのため、2020年度は患者を対象とした調査は断念し、医師を対象としたWEB上(Zoomを使用)でのインタビュー調査に切り替えた。 <目的>高齢がん患者を診療する医療従事者が、高齢がん診療で感じている問題点を明らかにすること、ならびに高齢者機能評価実装の阻害・促進要因を明らかにすること <方法>2020年7月から9月の期間で20名の医療従事者(腫瘍医10名、老年医2名、看護師4名、心理士2名、病院幹部2名)に対して半構造化インタビューを実施した。日常の高齢がん診療における問題点と、高齢者機能評価の実施状況、および高齢者機能評価実施の阻害・促進要因について、後半部分については実装研究のフレームワークを用いてインタビュー調査を実施した。それと同時に、治療方針決定において、患者の価値観をどのような方法で把握しているか、共同意思決定に患者の価値観をどのように反映しているかについても調査した。 <結果>高齢がん診療においては、高齢者の標準治療や治療適応の判断、治療リスクの評価など、治療選択に困難を感じている一方で、認知症への対応、身体併存症の管理、社会的支援の評価、家族の介護力など、介護ケアについても困難感を感じている医療者が多かった。高齢者機能評価実装の阻害・促進要因については、実装研究のための統合フレームワーク(Consolidated Framework for Implementation Research, CFIR)に基づいて演繹的手法で分析し、実装の準備性と実装風土(リーダーのサポートや現場のニーズ、優先度)、看護師や医師など様々なステークホルダーの巻き込みが重要な促進要因であった。患者の価値観を把握する方法は様々であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はCOVID-19の影響のため、患者に対する対面でのアンケート調査が困難な状況であった。そのため、患者を対象とした調査は断念し、医師を対象としたWEB上でのインタビュー調査に切り替えた。世界的なpandemicの状況ではやむを得ない判断であったと考える。結果として、当初予定していた患者を対象としたアンケート調査は進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度もCOVID-19の影響のため、緊急事態宣言下での研究の先行きは不透明な状況である。しかしながら、昨年度と比較して、患者を対象とした新規の研究の実施も許容されている状況であるため、患者を対象としたアンケート調査を再開する予定である。ただし、変異株の流行によりpandemicがさらに広がるようであれば、実施計画を変更せざるを得ない可能性がある。その場合には、患者会への協力を求めるなどをして、WEB上でのインタビューが可能な高齢がん患者、あるいはWEBアンケートへの対応が可能な高齢がん患者のリクルート方法を模索する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で国内・国際学会がWEB開催となったため、予定していた旅費・宿泊費が使用できなかった。
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