2022 Fiscal Year Annual Research Report
臨床情報・ゲノム情報を活用した統合失調症神経ネットワーク形成障害の神経病理解析
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19K17059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥居 洋太 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90754945)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 神経病理 / 死後脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
関連施設において剖検した統合失調症患者死後脳の生前の臨床診断、臨床経過、病前の社会適応、家族歴、神経画像等の臨床情報の収集に加えて、死後脳の神経病理学的評価・診断を行い、臨床情報・病理診断情報をデータベース化した。データベースから疾患と認知機能障害との関係について特に着目し、統合失調症の晩年の認知症症状と背景の一般神経病理所見との関連について検討を行った。統合失調症においても、神経変性疾患の病理が観察される頻度は加齢によって増加したが、顕著ではなく、晩年に認知症症状を呈する一方で、一般神経病理所見単独では認知症症状が説明困難な症例を多数認めた。 これらの晩年に認知症症状を呈する一方で、相当する一般神経病理所見を欠く統合失調症を統合失調症の臨床表現型の一つと考え、認知症症状の認められなかった統合失調症と臨床情報や神経病理学的所見を比較検討した。薬剤や入院期間などの臨床情報に有意な差は認められなかった。全例においてごく軽度の加齢性の変化を神経病理学的に認めたものの、半定量的な評価によって両者に有意差は認められなかった。統合失調症の中には、ごく軽度の加齢性変化に対し、脆弱性を有する一群があることが臨床神経病理学的に確認された。 また、稀なゲノム変異を有する統合失調症においては、症例に応じて、大脳皮質の肉眼的な形態変化の検討や、ミエリン・オリゴデンドロサイト、カテコラミン神経系、GABA神経系に着目した免疫組織学的検討を行い、これらを報告した。特にカテコラミン神経系・GABA神経系に関しては複数の症例で陽性構造物の形態学的変化が確認され、統合失調症の組織学的表現型の一つとなることが示唆された。 このような病理組織観察を背景にした臨床表現型、組織学的表現型の検討は貴重であり、統合失調症の病態解明の一助になると考える。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Cross-Disorder Analysis of Genic and Regulatory Copy Number Variations in Bipolar Disorder, Schizophrenia, and Autism Spectrum Disorder2022
Author(s)
Itaru Kushima, Masahiro Nakatochi, Branko Aleksic, Takashi Okada, Hiroki Kimura, Hidekazu Kato, Mako Morikawa, Toshiya Inada, Kanako Ishizuka, Youta Torii,・・・, Norio Ozaki
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Journal Title
Biological Psychiatry
Volume: 92
Pages: 362~374
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] エネルギー器官としての脳 組織構造と統合失調症2022
Author(s)
糸川 昌成, 大島 健一, 鳥海 和也, 吉川 茜, 堀内 泰江, 宮下 光弘, 宮野 康寛, 石田 裕昭, 小堀 晶子, 井上 智子, 新井 誠, 鳥居 洋太, 久島 周, 入谷 修司, 尾崎 紀夫, 鈴木 芳生, 野口 千太, 雑賀 里乃, 水谷 隆太
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Journal Title
精神神経学雑誌
Volume: 124
Pages: 688-699
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[Presentation] 統合失調症における神経変性疾患病理所見と認知機能障害との関係2022
Author(s)
荒深周生, 鳥居洋太, 入谷修司, 藤城弘樹, 平野光彬, 関口裕孝, 三輪綾子, 羽渕知可子, 吉田眞理, 岩崎靖, 尾崎紀夫
Organizer
第63回神経病理学会総会
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[Presentation] 純粋なArgyrophilic Grain Disease (AGD)の臨床病理学的な検討 ―名古屋大学精神科コンソーシアムブレインバンクでの128剖検例から―2022
Author(s)
竹田和弘, 藤城弘樹, 荒深周生, 鳥居洋太, 関口裕孝, 三輪綾子, 羽渕知可子, 吉田眞理, 岩崎靖, 入谷修司, 尾崎紀夫
Organizer
第63回神経病理学会総会
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[Presentation] 純粋Primary age-related tauopathy (PART)の臨床病理学的な検討 ―名古屋大学精神科コンソーシアムブレインバンクでの128剖検例から―2022
Author(s)
竹田和弘, 藤城弘樹, 荒深周生, 鳥居洋太, 関口裕孝, 三輪綾子, 羽渕知可子, 吉田眞理, 岩崎靖, 入谷修司, 尾崎紀夫
Organizer
第63回神経病理学会総会
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[Presentation] 50歳代に被害的な幻聴・妄想が出現し70歳代で剖検に至った、遅発性統合失調症の一例2022
Author(s)
竹田和弘, 藤城弘樹, 鳥居洋太, 三輪綾子, 関口裕孝, 羽渕知可子, 宮原弘明, 吉田眞理, 岩崎靖, 入谷修司, 川島邦裕
Organizer
第58回名古屋臨床神経病理アカデミー(日本神経病理学会名古屋地方会)
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[Presentation] 長期入院を余儀なくされた,視覚・聴覚障害を有した遅発パラフレニーの一剖検例2022
Author(s)
三輪 綾子, 鳥居 洋太, 関口 裕孝, 羽渕 知可子, 藤城 弘樹, 宮原 弘明, 岩崎 靖, 吉田 眞理, 川島 邦裕, 入谷 修司
Organizer
第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会[合同開催]
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[Presentation] 晩年に認知症症状を呈したcingulectomy施行後統合失調症の一剖検例2022
Author(s)
鳥居 洋太, 荒深 周生, 三輪 綾子, 関口 裕孝, 羽渕 知可子, 藤城 弘樹, 古泉 龍一, 吉田 眞理, 岩崎 靖, 尾崎 紀夫, 入谷 修司, 川島 邦裕
Organizer
第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会[合同開催]
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