2019 Fiscal Year Research-status Report
重篤な精神神経症状を呈するミクログリア病(HDLS)の病態機序解明と治療法の探索
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19K17065
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
扇谷 昌宏 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60636455)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミクログリア / HDLS / iMG / ALSP |
Outline of Annual Research Achievements |
脳細胞の一種であるミクログリアは脳内で様々な役割を担っており、その機能異常は重篤な精神神経症状を呈するミクログリア病を引き起こす。しかし、ミクログリア病という病名がついているにもかかわらずミクログリアの何が?どのように?異常なのか全く明らかになっておらず、病態機序および治療法も確立されていない。 本研究は、申請者が開発したヒト末梢血誘導型ミクログリア様細胞技術を用いて、ミクログリアの機能異常を細胞レベルで解析し、ミクログリア病の病態機序の解明と新規治療法の探索を行うことを目的としている。 本年度は、実際のHDLS患者から血液を採取し、ミクログリア様細胞(iMG細胞)の作製を行うことができた。表現系の解析から、健常者と比べて明らかに違いがあることを発見した。 加えて、マウス脳から採取したプライマリーミクログリア細胞とsiRNAを用いて作製したHDLSモデル細胞において、臨床検体と同様の変化を確認した。 現在、そのメカニズムと病態への寄与を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際の患者献体からのiMG細胞作製において、健常群との明らかな表現系の違いを発見した。 加えて、マウスのモデル細胞においても同様の表現系を確認した。 以上の理由から、本課題は、概ね順調に伸展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、臨床検体およびマウスモデルで発見した表現系が病態に及ぼす影響とそのメカニズムを検討していく予定である。
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