2019 Fiscal Year Research-status Report
マルチモダリティを用いた緊張病の病態生理に関する縦断的研究
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19K17071
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
黒瀬 心 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40838124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 緊張病症候群 / カタトニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、緊張病患者(統合失調症または気分障害に限る)の病態生理を解明に向けて、同病態に対する治療前後で血液検査・脳波検査安静ならびに聴覚刺激・頭部MRI(T1強調画像による脳構造評価、arterial spin labelling(ASL)による脳血流評価)を行い、主観的評価に依らない生物学的に評価可能な、緊張病の診断および治療効果判定に有用な因子を同定することが目的である。 先行研究は軽症例に対する横断研究に限られていた。我々は既に緊張病の中でも致死的な悪性緊張病の1例において、治療前後で脳血流の縦断的変化(視床下部を含むcentral autonomic networkの脳血流が異常に亢進しているのが治療によって改善)を英文誌で世界で初めて報告した。現在4例をリクルートしたが、内2例は悪性緊張病例であり過去の我々の報告を支持するものであった。また、過去の研究はどれも統合失調症例に限られていたが、気分障害例についても所見が得られている。 こういった本研究の今年度の成果は以下の点において意義があり重要であると言える。①過去の緊張病研究が軽症で横断研究に限られていたが、致死的な病態における生物学的な所見を複数例で得たこと、②過去の緊張病研究は統合失調症に限られていたが、気分障害圏においても複数の症例を蓄積し所見を報告することで、症候群としての緊張病の多様な病態を明らかにすることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以下の2点が考えられる。①緊張病症候群は症状が変動することが特徴であり、休日や夜間に入院になった際に、リクルート前に症状が改善することがあること、②重症例を対象としているために、検査を遂行することがしばしば困難であること。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定した30例のリクルートは困難である可能性が高いが、これまでの結果からより小さなサンプルサイズでも有意な所見が得られることが推定されるため、これまでの研究体制を維持し継続していく。 また、新型コロナウイルスの流行により研究活動が多少なりとも制限を受けることが推定される。しかし、我々が対象としているのは入院を必要とする重症例であり、これらの症例は新型コロナウイルスの流行とは関係せずに入院治療が必要になることが想定されるためリクルート数は大きく変化しないものと思われる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染流行により、国際・国内学会への参加が困難になったため。 画像データ解析と行う際のデバイスの整備および血液データの解析に用いる。
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