2019 Fiscal Year Research-status Report
食道癌における包括的ゲノム情報と画像情報の融合:Radiogenomicsの実践
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19K17130
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横田 元 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20649280)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道癌 / 扁平上皮癌 / Radiogenomics / Epigenomics |
Outline of Annual Research Achievements |
microRNAは、タンパクに翻訳されない低分子量のRNAで、遺伝子発現の制御に関わっているとされている。その中で、食道癌においてmicroRNA-1246は、その血清濃度がTNMステージなどの既知の因子を超える、強い予後規定因子として知られている。今回、造影CTから血清microRNA-1246を予測できるかを検討した。対象は、92名の食道扁平上皮癌症例。全例で、治療前にquantitative real-time PCRで血清microRNA-1246が測定された。造影CT早期相から食道癌の存在する領域を内腔を含めて囲った。その領域から、形態・ヒストグラム・テクスチャ解析を利用し、各症例45個ずつの画像特徴量を抽出した。画像特徴量と血清microRNA-1246の相関解析を行い、有意な相関を持つ6つの特徴量を選択した。この6つの画像特徴量を線形回帰を使用し、血清microRNA-1246を予測する機械学習モデルを構築した。モデルの汎化性能は10-fold cross validationで評価した。モデルから予測された血清microRNA-1246と実際の血清microRNA-1246は、r=0.256, P=0.013で有意な相関を示した。予測された血清microRNA-1246の値で2群で分けた時、全生存期間において予後良好群と不良群に分けることができた(P=0.009)。 Epigenome情報を画像で予測できることを示した報告はこれまでなく、新規性に富む研究である。これらは、Hoshino I, Yokota H, Ishige F, et al. Radiogenomics predicts the expression of microRNA-1246 in the serum of esophageal cancer patients. Sci Rep. nature.com; 2020;10(1):2532.として論文発表を行ったをした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血清マイクロRNA1246測定の症例数を増やし、食道癌CT画像との対比を行った。CTから算出された画像特徴量から、機械学習モデルでマイクロRNA1246発現値を予測した。予測したマイクロRNA1246は、血清マイクロRNA1246と同様に、食道癌の全生存期間を予後良好群と不良群に分けられることが分かった。これらの所見は、Hoshino I, Yokota H, Ishige F, et al. Radiogenomics predicts the expression of microRNA-1246 in the serum of esophageal cancer patients. Sci Rep. nature.com; 2020;10(1):2532.に報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、主にCTを解析対象とした。PETやMRIを用いた場合、精度向上が得られるのか、試みたい。また、マイクロRNA1246は、血清のみならず、尿や唾液でも測定しているため、それとの対比も検討している。さらに、PDL1など、別の遺伝子発現の検索を計画している。
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Research Products
(4 results)