2020 Fiscal Year Research-status Report
食道癌における包括的ゲノム情報と画像情報の融合:Radiogenomicsの実践
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19K17130
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横田 元 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20649280)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道癌 / 扁平上皮癌 / Radiogenomics / Epigenomics |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、食道癌の強力な予後規定因子でありmicroRNA-1246をCT画像から予測することで、TNM分類よりも強い予後規定因子を作り出すことができた。microRNA-1246はDNAを修飾することによって、遺伝子発現を調節する役割があり、いわゆるepigenome情報といえる。画像とepigenome情報の融合として、radioepigenomicsの実現に一歩近づくことができた。この成果は、Hoshino I*, Yokota H*, Ishige F, et al. Radiogenomics predicts the expression of microRNA-1246 in the serum of esophageal cancer patients. Sci Rep. nature.com; 2020;10(1):2532. (* equal contribution)として論文発表し、北米放射線学会や日本医学放射線学会で学会発表を行った。 本年度は、臨床情報、画像情報、ゲノム情報を統合することで、より精度の高い予後予測が行えるかを試みた。まずは臨床情報、一般的な血液検査からどれほど予後を予測できるかを検討した。食道扁平上皮癌患者101名から、年齢・性別・血液検査(一般的な血算・生化学・腫瘍マーカー)の37項目を抽出した。抽出したデータで、5年後生存しているかどうかを予測した。使用した機械学習モデルは、logistic regression, random forest, 勾配ブースティング、deep neural networkの4種類を使用した。機械学習モデルによって精度は異なっていたが、random forestでは85%程度の正診度で 5年後生存を予測可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文としての成果を出すことが出来ている。現在、その発展的な研究を行っている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床情報、画像情報、ゲノム情報を統合する研究においては、今後、症例数を増やし、画像・ゲノム情報を加えて解析をしていく予定である。 多くのデータを機械学習モデルで統合して予後を予測する場合、どの因子が予後と大きく関わっているかの見極めも重要となってくる。その際は、特徴選択という技術が必要となる。画像と臨床データを統合する際には、deep learningが使いやすいが、deep learningでの特徴選択の技術は確立していない。そこで、千葉大学工学部との共同研究で、特徴選択が行えるdeep learningモデルの開発を目指している。特徴量選択の技術が確立すれば、より安定した予測モデル作成に繋がり、精度の向上も望める。
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Causes of Carryover |
論文作成が来年度に持ち越されるため、英文校正費・出版費への使用費用は来年度に持ち越しとなった。
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Research Products
(3 results)