2019 Fiscal Year Research-status Report
免疫染色やリキッドバイオプシーによる頭頸部癌の腫瘍免疫能と放射線治療の解析
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19K17147
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
福島 悠希 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60749787)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 放射線治療 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は当科で中咽頭癌の放射線治療を施行した患者で、治療前に当院で生検を施行されている70症例のリストアップを行った。そして各症例の放射線治療に関わる諸因子や治療成績、有害事象について電子カルテを用いて後ろ向きに調査した。その後腫瘍免疫の専門家と相談し、放射線治療と腫瘍免疫の関係を調べるためにはHLA class ⅠとFOXP3の免疫染色を行うのがよいとの方針となりその免疫染色を行った。2020年度は免疫染色の評価を行い放射線治療に関わる諸因子とともに放射線治療成績との関連を解析し、同年の日本放射線腫瘍学会学術集会でその成果を発表する予定である。
放射線治療に対する抗腫瘍効果は、従来の放射線治療によるDNA損傷修復の観点に加えて、放射線治療による腫瘍免疫機構の応答についても積極的に研究が進められている。これまで我々のグループではDNA修復に関わる蛋白発現について研究してきたが、今回は腫瘍免疫にテーマを当てて放射線治療効果予測の研究を行っている。
本研究は中咽頭癌のHPV感染の有無と腫瘍免疫関連蛋白の発現の関連を調べることで、HPV陽性の中咽頭癌がなぜ放射線治療に高感受性であるのかを解明する一助となる研究として意義深いと考える。また、頭頸部腫瘍の放射線治療効果が予測できるようになれば、個々の生物学的特性に合わせ個別化した放射線治療が可能となり、放射線治療成績の向上が期待される。また、今後の免疫療法を併用した放射線治療の臨床応用に向けて大きな知見をもたらすものとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展しており、引き続き研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
HLA class Ⅰ、FOXP3の免疫染色の評価を行い、放射線治療に関わる諸因子とともに放射線治療成績との関連を解析し、2020年の日本放射線腫瘍学会学術集会でその成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
さらなる免疫染色等が必要であるため、次年度使用額が生じた。 今後研究に必要な医療材料などを購入する予定である。
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