2020 Fiscal Year Research-status Report
形態画像と数値流体解析の統合による大動脈瘤の解析手法の確立と増大予測モデルの構築
Project/Area Number |
19K17163
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
窪田 吉紘 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30836177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / 数値流体解析 / 4D-flow MRI / 機械学習 / Radiomics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腹部大動脈瘤の増大に関わる因子を解剖学的側面(壁構造、瘤内血栓、周囲臓器や骨・脂肪組織の存在)と血流動態学的側面(数値流体解析や4D-flow MRI)から抽出し、 Radiomicsや機械学習を用いて腹部大動脈瘤の増大予測モデルを作成することを目的としている。そのためにCT画像を撮像した腹部大動脈瘤症例をretrospectiveに集め、増大初期の画像から動脈壁内・外の解剖学的情報を抽出し、増大速度との関連を評価すること、合わせて、数値流体解析を用いて血行動態をシミュレーションし、それによる血行動態的な特徴量の抽出を行うことが必要である。 研究の二年目である本年は、初年度に集めた症例から動脈瘤の増大速度の速い症例と遅い症例を抽出し、動脈瘤内・外の解剖学的情報の抽出を行い、動脈瘤の増大率と解剖学的情報との相関について解析を進めている。数値流体解析による血行動態のシミュレーションは症例ごとの解析に大幅な時間がかかり、解析ができた症例はまだ症例数として不十分である。今後、計算方法の見直しを図りつつ、症例数の蓄積と増大予測モデルの作成を行なっていく予定である。増大予測モデルの作成に並行して腹部大動脈瘤の4D-flow MRIの撮像を実際の症例で開始している。現在までに十数症例の登録ができており、症例は順調に蓄積できている。現在は症例の蓄積に並行して順次血流解析を進めている。今後、増大予測モデルと4D flow MRIの解析結果を比較し、モデルの検証を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腹部大動脈瘤のCT画像の症例登録は順調に進み、解剖学的なデータの抽出も概ねでき、大動脈瘤の予測モデルの作成に着手している。4D-flow MRIによる大動脈瘤内の血行動態の評価は撮像条件の検討が終わり、症例の登録・解析が順調に進んでいる。大動脈瘤内の血行動態の解析が遅れている。数値流体解析には膨大なデータ処理が必要であり、解析方法含めデータ処理の見直しや効率化を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
動脈瘤の増大予測モデルの作成を行なっていく。数値流体解析の手法を見直し、データ処理・取得の効率化を図る。4D-flow MRIの症例登録を進め、予測モデルの検証と精度向上を図っていく。
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Causes of Carryover |
数値流体解析のためのソフトウェアの購入を検討しており、次年度予算と合算が必要になった。解析データの論文化を行う予定であり、英文校正費や学会発表のための旅費が必要である。
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