2021 Fiscal Year Annual Research Report
形態画像と数値流体解析の統合による大動脈瘤の解析手法の確立と増大予測モデルの構築
Project/Area Number |
19K17163
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
窪田 吉紘 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30836177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 数値流体解析 / 大動脈瘤 / 4D-flow MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腹部大動脈瘤の増大に関わる因子を解剖学的側面(壁構造、瘤内血栓、周囲臓器や骨・脂肪組織の存在)と血流動態学的側面(数値流体解析や4D-flowMRI)から抽出し、 腹部大動脈瘤の増大予測モデルを作成することを目的としている。研究初年度から二年目にかけて腹部大動脈瘤症例を後方視的に集め、増大初期の画像から動脈壁内・外の解剖学的情報を抽出し、増大速度との相関を評価した。これまで報告されているように動脈瘤径・形態は増大速度と関連する傾向があった。これに数値流体解析と4D-flow MRIによる血流解析の情報を加えることで、動脈瘤の増大予測モデルの作成を試みた。研究二年目から三年目後半にかけて動脈瘤の4D-flow MRIの症例の蓄積を行い、三十数例のMRI画像を新規に取得した。並行して増大初期のCT画像から数値流体解析によるシミュレーションを行ったが、症例ごとの解析に大幅な時間と費用がかかるため、特徴量を抽出して増大予測モデルに加えるには十分な解析数は得られなかった。この点を補うため、過去のCT画像から血管モデルの作成を行い、心拍動ポンプに接続して4D-flow MRIを撮像することで、増大初期の動脈瘤内の血流を再現し、血流解析を行う手法を新たに開発した。数値流体解析に比して安価に解析ができるようになったが、血管モデルから作成した4D-flow MRIの画像の妥当性の検証を合わせて行う必要がでてきた。研究三年目後半より、血管モデルを用いた4D-flow MRI撮像を順次行い、解析結果の妥当性の検証を並行して行なった。動脈瘤予測モデルに血管モデルから撮像した4D-flow MRIの情報を加えることでより正確な予測モデルの作成が期待できる。
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