2021 Fiscal Year Research-status Report
New diagnostic method for Parkinson's disease by multimodal imaging
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19K17244
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鎌形 康司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60568153)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / マルチモーダルMRI / 神経突起イメージング / ミエリンイメージング / 疾患進行モデリング / 多系統萎縮症 / 進行性核上性麻痺 / 大脳皮質基底核症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的はマルチモーダルMRI解析を用いて、パーキンソン病(PD)診断評価法の開発とPD病態の神経基盤を解明することである。本年度は下記検討を行なった。 神経突起イメージングや自由水イメージングと呼ばれる新たな拡散M R I解析とMT-satと呼ばれるミエリンイメージングを組み合わせたマルチモーダルM R I解析により、運動合併症や衝動制御障害を伴うPDでは大脳白質構造が通常のPDよりもむしろ保たれるという新知見を得た(Ogawa T, Kamagata K, et al. Parkinsonism Relat Disord. 2021; Takeshige-Amano H, Kamagata K, et al. Ann Clin Transl Neurol. 2022)。 さらにマルチモーダルM R I解析を用いて、P D及び臨床的にP Dと鑑別が問題になる多系統萎縮症パーキンソニズム型との白質障害のパターンの違いを精度良く検出できることを示した(Ogawa T, Kamagata K, et al. NPJ Parkinsons Dis. 2021)。 さらにSubtype and Stage Inference (SuStaIn)と呼ばれる疾患進行モデル手法を用いて、臨床的にP Dとの鑑別が問題になる進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核症候群における皮質萎縮の進行パターンを精度良くモデルできることを示した(Saito Y, et al. Front Neurol. 2022)。 また本課題に関連した技術開発として、度々P D患者のM R I撮像時に問題となる患者の撮像中の動きを精度良く補正する撮像技術の精度検証を行い、実際にP D患者のM R I撮像に有用であることを示した(Fujita S, Kamagata K, et al. Neuroimage. 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究計画は、統合的なマルチモーダル解析を行い、客観的PD診断を可能とする定量値算出を行い、重症度・罹病期間との相関解析を行い、併せて定量値が変化する脳領域を抽出し、PD病態の神経基盤同定を目指すというものであった。 計画に沿って、マルチモーダルM R I解析により、P Dとの鑑別が問題になる他の類縁疾患との客観的鑑別診断に有用と思われる手法の開発を行なった(Ogawa T, Kamagata K, et al. NPJ Parkinsons Dis. 2021; Saito Y, et al. Front Neurol. 2022)。さらにPD病態の神経基盤同定を目指して、運動合併症や衝動制御障害を伴うPDの神経基盤同をおこなった(Ogawa T, Kamagata K, et al. Parkinsonism Relat Disord. 2021; Takeshige-Amano H, Kamagata K, et al. Ann Clin Transl Neurol. 2022)。しかし、コロナ禍で研究補助員の勤務日が減ったため、画像解析の進捗が当初のマイルストーンよりやや遅れており、マルチモーダル解析によるPDの客観的診断法開発が完全には完了していないため、進捗はやや遅延している。しかし、期間延長により当初の目的を達成することは十分可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度もコロナ禍で遅延した画像解析の進捗を取り戻すべく、現在までに収集したMRIデータを元にマルチモーダルMRI解析を用いて、客観的PD診断評価法の開発とPD病態の神経基盤解明を進める。具体的には取得データを元に定量MRI解析を行い、脳容積・皮質厚・神経突起イメージング定量値・拡散MRI定量値、メラニン量、脳ネットワーク指標などを算出し、他の神経変性性パーキンソニズムなど類縁疾患や健常群との比較を行い、PD脳で生じている特異的な変化を検出する。特定された脳領域および定量値変化について、疾患重症度や罹病期間との相関解析を行い、疾患進行による定量値変化を検討する。合わせて、ドパミントランスポーターSPECTを用いて線条体におけるドパミン活性の定性・半定量化を行い、他のPD類縁疾患との集積分布の違い、半定量値の変化を同定する。さらに得られた解析結果を用いて統合的なマルチモーダル解析を行い、客観的PD診断を可能とする定量値算出を行い、重症度・罹病期間との相関解析を行う。併せて定量値が変化する脳領域を抽出し、PD病態の神経基盤同定を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延の影響で、画像解析に遅延が生じ、学会発表・論文発表に遅延が生じ、当初予定していた学会出張費、英文校正費、オープンアクセス費に使用できなかったため。次年度使用額は次年度の学会出張費、英文校正費、オープンアクセス費に使用するものとする。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Microstructural Gray Matter Abnormalities in Progressive Supranuclear Palsy and Corticobasal Syndrome: Evaluation by Free-water Imaging.2021
Author(s)
Koji Kamagata, Christina Andica, Kaito Takabayashi, Yuya Saito, Wataru Uchida, Shohei Fujita, Toshiaki Akashi, Akihiko Wada, Kouhei Kamiya, Masaaki Hori, and Shigeki Aoki
Organizer
ISMRM 29th annual meeting and exhibition
Int'l Joint Research
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[Presentation] Association between magnetic resonance imaging measures of glymphatic system activity in healthy elderly individuals.2021
Author(s)
Koji Kamagata, Toshiaki Taoka, Yuya Saito, Jyunko Kikuta, Hideyoshi Kaga, Yuki Someya, Christina Andica, Toshiaki Akashi, Akihiko Wada, Yoshifumi Tamura, Ryuzo Kawamori, Hirotaka Watada, Shinji Naganawa, Shigeki Aoki.
Organizer
第49回日本磁気共鳴医学会大会
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