2019 Fiscal Year Research-status Report
低ホスファターゼ症の治療薬としての小分子化合物の探索
Project/Area Number |
19K17333
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
高橋 知男 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (10624934)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 低ホスファターゼ症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. MSCおよびOstのstemnessや骨分化に関わる分子メカニズムの同定 HPP患者、HPP保因者および健常人のMSC・Ostの網羅的遺伝子発現に関して、また、HPP患者から樹立 したiPS細胞から分化誘導したMSCおよびOstに関して、網羅的遺伝子発現を行い、 同様の解析を行った。その結果、MSCにおいてHPP患者が健康人よりも高発現あるいは低発現している遺伝子は、それぞれ40遺伝子、199遺伝子が同定された。また、Ostにおいては、136遺伝子、147遺伝子が同定された。その後、Ontology解析を行ったところ、stemnessおよび 骨分化に関わる優位差を認めた遺伝子をそれぞれ5個、7時同定することができた。 2. HPP由来MSC・Ostの機能を回復する遺伝子の同定 その候補遺伝子発現を調整して、コロニー形成能、増殖能を検討している、また、骨分化はMSCを骨分化誘導培地で培養後、免疫染色、ALP活性、で評価している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網羅的遺伝子発現解析が終了して、個別の候補遺伝子の機能を解析しているので、予定通り、進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
1. HPP由来MSC・Ostの機能を回復する遺伝子の同定 HPP由来MSCやOstはstemnessや骨分化が低下しているため、候補遺伝子をノックダウンあるいは強制発現して、stemnessおよび骨分化の機能が回復することを検討する。具体的な方法として、stemnessはコロニー形成能、増殖能、遺伝子発現で、骨分化はMSCを骨分化誘導培地(Dex+ViC+β-GP)で培養後、免疫染色、ALP活性、遺伝子発現および石灰化能で評価する。また、生体内での効果を示すために、HPPモデルマウス(当該研究室で飼育中)にウイルスベクターに搭載した候補遺伝子を投与して、骨の石灰化の回復や生存率の改善を確認する。 2. 小分子化合物の探索 (1)in silico解析による小分子化合物の探索 上記で同定した遺伝子に作用する小分子化合物をin silico解析で探索する。候補小分子化合物のうち、ヒトへの投与が可能な化合物を以降の実験に用いる。
|
Causes of Carryover |
予定通り実験は行えているが、試薬の値段が予定よりも安価に購入できたため
|