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2019 Fiscal Year Research-status Report

Analysis of regulational mechanisms of inflammatory mRNAs by RNA-binding proteins in kidney disease

Research Project

Project/Area Number 19K17755
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

都川 貴代  東海大学, 医学部, 助教 (50631842)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
Keywords慢性腎臓病 / 繊維化 / RNA結合タンパク / PBMC
Outline of Annual Research Achievements

慢性腎臓病(CKD)でみられる腎臓の線維化は不可逆的変化であり、線維化を起こした臓器は最終的に機能不全に陥る。単球・マクロファージおよびT細胞に発現するRegnase-1とRoquinは炎症性mRNAの抑制因子であり、これらの欠損マウスでは心臓や肺、肝臓での線維化をひきおこすことが知られている。
CKD患者でみられる臓器障害において、炎症が関与するメカニズムの詳細は未だ不明な点が多い。CKDにおけるRegnase-1とRoquinなどのRNA結合タンパク質による炎症性mRNA制御とマクロファージ活性化の関連を示した報告はこれまでにないが、CKD進行の背景にある持続性の炎症病態と炎症性mRNA制御タンパクの関連は興味深い。
本年度においてはCKD患者血液から採取したPBMCとヒト単球株化細胞THP-1を用いて、培養系における炎症性mRNA制御タンパクの発現と活性化を測定し分析した。その結果、(ⅰ)患者PBMCまたはTHP-1をLPSで刺激すると、CD14、MAPK1、Regnase-1、Roquinの発現は刺激後1-2時間でピークを形成したが、IL6は刺激後8-12時間で発現ピーク迎えるもその2時間後には発現はほとんど基底レベルまで抑制された。このような炎症の誘導と抑制のコンビネーションはCKD患者由来のPBMCでより明確であった。(ⅱ)同様に単球やマクロファージの免疫応答を抑制するFGF23で刺激した場合には、THP-1ではCD14、MAPK1、Regnase-1、Roquinの発現が刺激後10時間でピークに達したがその2時間後には元のレベルに戻った。CKD患者のPBMCではRegnase-1が刺激後1-2時間でピークを形成した他はほぼ一定であった。
以上の炎症促進/抑制刺激の解析から、PBMCにおけるRNA結合タンパク質による炎症性mRNA発現調節の関連が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

CKD患者のPBMCと株化PBMCを用いた培養系で、炎症促進/抑制刺激に対する応答が明らかになり、PBMCにおけるRNA結合タンパク質による炎症性mRNA発現調節の関連が示された。炎症促進刺激に対してCKD患者に由来するPBMCの応答性が高いのは、生体内で抑制されていた炎症性mRNA制御タンパクの発現が培養条件下において回復した可能性があり、将来的に、一度培養したPBMCを生体に戻すことにより、CKD患者で持続する炎症反応の抑制を可能にする治療法の開発に繋がる可能性が考えられた。
CKDにおける炎症は様々な致死的合併症に関連しているが、その特異的な治療方法が確立されていないため不良な予後を来している。本研究はCKDにおける炎症の原因の一端を解明することを目的としており、腎臓病におけるRNA結合タンパク質の作用メカニズムを詳細に解析することで、TLRを介した自然免疫における炎症調節機構とそれに伴う臓器障害についての理解が進むことが期待される。この研究の成果によって、持続炎症の根本治療における論理的な支柱を形成し治療戦略の基礎が確立されるものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

Regnase-1・Roquin欠失と強制発現させた細胞を作製し、炎症誘導による細胞反応性と遺伝子発現を解析する。FGF23とVDRAによる発現変化を詳細に解析し、これらのメカニズムを明らかにすることで、免疫細胞の炎症誘導による遺伝子発現の変化とビタミンD受容体作動薬(VDRA)による影響を明らかにする。
また、腎不全での各臓器における組織免疫細胞の分画同定および炎症性mRNA制御タンパク発現を明らかにするために、腎不全モデルマウスを作製し、各臓器におけるRNA結合タンパク質の発現と免疫細胞の機能を調べ、腎不全における炎症と臓器障害に関連する因子を調査する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Parathyroid hormone-producing cells exist in adipose tissues surrounding the parathyroid glands in hemodialysis patients with secondary hyperparathyroidism2020

    • Author(s)
      Kakuta Takatoshi、Sawada Kaichiro、Kanai Genta、Tatsumi Ryoko、Miyakogawa Takayo、Ishida Mari、Nakazawa Raima、Fukagawa Masafumi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 10 Pages: -

    • DOI

      10.1038/s41598-020-60045-y

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-01-27  

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