2020 Fiscal Year Annual Research Report
Carma1 L815P-KIマウスにおける皮膚炎発症のメカニズムの解明
Project/Area Number |
19K17804
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野元 裕輔 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (10781487)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CARD11 / Carma1 / Treg / TEM / Th2 |
Outline of Annual Research Achievements |
AD様皮膚炎やリンパ組織肥大の原因を突き止めるため、WT、CARD11 KIマウスの脾臓、リンパ節を採取し、その白血球集団をELISA、FACS等を用いて分析した。その結果、CARD11 KIマウスはWTと比べ、IL-4の分泌が増加し、IL-17の分泌が低下していることが分かった。これは、CARD11 KIマウスがTh2型の状態になっている可能性を示唆している。また、CARD11 KIマウスにおいて、Tregの数がWTと比べて減少していることを確認し、さらに活性化したTreg(effector Treg: 以下eTreg)の割合を調べたところ、WTと比較して活性化しているeTregの割合が減少していた。活性化したT細胞(effector memory T cell: 以下TEM)の割合も同様にWTと比べて減少していた。さらに、TEMとeTregの比率をWTと比べたところ、KIマウスにおいて、TEMに対して、eTregの割合が多い結果となった。このことから、パソジェネティックなT細胞に対し、その活性を抑えるTregの存在が減少することが皮膚炎の原因の可能性となっているのではないかと我々は推測した。 Tregが皮膚炎の原因かどうかを調べるための骨髄キメラを用いた実験では、KIの骨髄細胞を移植したマウスではすべてのマウスで皮膚炎が発症したにもかかわらず、WTとKIの骨髄細胞を混合したミックスマウスでは、6匹中1匹しか皮膚炎を発症しなかた。また、このミックスキメラにおいて、KI由来のTEMの割合は、KIキメラと比べて減少していたが、一方でWT由来のTregはWTキメラの約40%程度存在していた。このことから、WT由来のTregがKI由来のパソジェネティックなT細胞の活性化を抑制している可能性を示唆した。現在マウス繁殖をおこなっており、十分なマウスが確保できたら実験を順次再開する。
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