2020 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドメタボロミクス解析による生活習慣病発症バイオマーカーの探索的研究
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19K17956
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
唐島 成宙 金沢大学, GS教育系, 助教 (30801584)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ステロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
高血圧は、脳卒中、心臓病、腎臓病および大血管疾患の重大な原因疾患である。高血圧症の中には、減塩により血圧の改善する食塩感受性高血圧とそうでない食塩抵抗性高血圧に分類される。研究①:2017年度の健診参加者242名を対象に、腸内細菌叢の構成と高血圧有病率を比較し、Bifidobacterium属などの存在比の低い腸内細菌叢を持つ群は、低食塩摂取でも高食塩と同等の高血圧有病率であることを示した。特にB. bifidumやB. Breveとの関連が強い傾向にあり、IL-17などのサイトカインやRAAS、いくつかのミネラロコルチコイドの関与が示唆された。研究②:研究①と同じ対象に、食塩至適反応群、低食塩低血圧群, 低食塩高血圧群, 高食塩低血圧群, 高食塩高血圧群の5群に分類し、腸内細菌叢の構成比を比較し、血清ステロイド代謝産物との関連を調べた。血圧、食塩摂取量の他に有意な臨床背景の差異は認められなかった。Akkermansia属の存在比率が高食塩低血圧群と比較して、それぞれ低食塩高血圧群 (P <0. 01)、高食塩高血圧群 (P =0. 03)、食塩至適反応群 (P =0. 03)と有意に低値であった。Akkermansia属と高血圧症やほかの生活習慣病の関与を示す既報もあり、塩感受性に関わっている可能性がある。食塩感受性高血圧発生機序を解明のためにメタゲノム解析や動物モデルへの移植実験による更なる精査の予定である。
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Research Products
(2 results)