2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K17994
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
福田 高士 福岡大学, 医学部, 助教 (10812779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 下垂体腺腫 / 成長ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
arylhydrocarbon receptor-interacting protein(AIP)は家族性下垂体腺腫の原因遺伝子である。我々はラットの成長ホルモン(GH)産生下垂体腫瘍細胞であるGH3のAIPをゲノム編集で欠失させたAIP KO GH3を作成した。作成した細胞株を薬剤抵抗性モデル細胞として使用し薬剤スクリーニングを行った。2019年度に発見された化合物についてin vivoでの条件検討を主に行っている。 AIP KO GH3をBALB-c/nuマウスに皮下接種させることで腫瘍を形成しマウスの血中GH濃度の上昇や体長の増加などの特徴が見られ、GH産生下垂体腺腫の病態を再現するモデルとなる。同定された化合物の生体内での効果を検討するためこのモデルを使用した。化合物投与下でのAIP KO GH3が形成する腫瘍の増大速度やマウスのGHの血中濃度の測定を行うことで化合物の効果の確認を行う。化合物が生体内でも抗腫瘍効果を示せば化合物非投与群と比較し投与群では腫瘍の増大速度の抑制やGHの血中濃度の低下などが見られるものと推測される。その実験の過程で化合物の投与濃度や投与期間などを様々な種類で行い、最適な実験条件を特定しようとしている。 AIP KO GH3の細胞株に対して化合物を投与するin vitroの実験も継続している。AIP KO GH3はStat3のリン酸化が亢進することでよりGHの分泌が増大すると考えられているが、Stat3に対する効果について研究を行っている。Stat3に対して影響を与えていく機序についてもできるだけ詳細に検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年度目で化合物のマウス投与下での実験を完了している予定であったが完了しなかった。それは想定していた結果を得ることができなかったため実験条件の検討に時間がかかっているためである。コロナ禍で実験の進展がおくれた影響もある。
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Strategy for Future Research Activity |
発見された化合物の投与濃度の検討や投与期間の実験条件の検討を終え、AIP KO GH3をBALB-c/nuマウスに皮下接種させ当該マウスに対して投与を行い、AIP KO GH3が形成する腫瘍のサイズを測定し、GH産生下垂体腺腫への腫瘍縮小効果を検討する。腫瘍サイズ以外にもマウスの血中GH濃度の測定も行う。AIP KO GH3はGH産生亢進を来しており、発見された化合物はそのGH産生亢進を抑制する事がAIP KO GH3細胞株に対する投与実験で証明されている。その機序についても研究を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の継続を行うために使用する予定である
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