2020 Fiscal Year Research-status Report
生体内イメージングを応用した移植膵島可視化によるグラフト生着率改善の試み
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19K18108
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三浦 宏平 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70733658)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | HE染色 / インスリン免疫染色 / Cペプチド / 日本移植学会 / 日本膵・膵島移植学会 / アジア膵・膵島移植学会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はICG蛍光法で拒絶反応を診断できるかどうかを検証する予定であった。具体的には①脳死ドナーからの膵島移植を想定しMHC(Major histocompatibility complex)確立ミニブタを用いて同種膵島移植モデルを作製、②エドモントンプロトコールに準じてシロリムスとタクロリムスによる免疫抑制療法を実施、③免疫抑制剤を減量することで拒絶反応を誘発した後蛍光部位を生検、④膵島の拒絶反応に特徴的な「膵島周囲の炎症細胞浸潤(HE染色)」、「インスリン分泌能低下(免疫染色)」、「組織中のTリンパ球の上昇(Flow cytometry:FCM)」などの所見の有無を確認する予定であった。感染拡大に伴う実験動物の供給制限等の影響で上記の実施は困難あった。
2019年度に作製したブタのICG標識自家膵島移植モデルより採取した肝臓の組織をHE染色で観察し、移植膵島の生着を確認した。生着した膵島をインスリン免疫染色で観察すべくスライド作成を依頼中である。また、移植後の動物から採取した血清のCペプチド、インスリン、生化学マーカの測定を依頼中である。さらに、In Vivo Imaging System (IVIS)によって標識された移植膵島の局在が同定可能であったため、同部の蛍光強度を測定し、蛍光強度の高い部位に多くの膵島が生着していることを確認した。
膵島移植実験に関する情報収集:日本移植学会、日本膵・膵島移植学会、アジア膵・膵島移植学会に参加し膵島移植に関する最新の知見を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は2019年度に採取した組織の検鏡や血清からのラボデータ収集を実施した。同種移植実験による拒絶反応モデルの作製を行う予定であったが、感染拡大に伴う実験動物の供給制限等の影響で予定を変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
実施できなかった同種移植実験については、文献などを収集してプロトコールを作成する段階にとどめる方針とした。2021年度は収集したデータをまとめ、アジア移植学会で発表の後に、Transplantation Proceedings誌に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた動物実験が感染拡大に伴う実験動物の供給制限等の問題で実施不可であった。また、旅費として計上していた予算が参加した学会の完全Web化により使用されなかった。今年度の助成金に繰越金として計上された分は、追加実験費用、学会参加費用、論文作成費用として使用する予定である。
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