2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new postoperative recurrence control method for hepatocellular carcinoma targeting intestinal flora
Project/Area Number |
19K18137
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
島田 慎吾 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40755576)
|
Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 脂肪肝 / 虚血再灌流障害 / 肝癌細胞 / イメージング質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【方法】1)脂肪肝ラットの70%の部分温虚血、再灌流モデルを作成し、虚血時間を45, 75分とした。虚血終了時、再灌流後1, 6時間に肝臓、血液を採取した。2)ラット70%肝切除モデルを確立した。3)肝癌細胞株を用いて、脂肪変性や虚血再灌流に伴うストレスが、微小環境の変化を介して肝細胞がんの増殖、転移に与える影響をin vitroで検討した。【結果】1)血中ALT, AST、傷害(病理)スコアは再灌流6時間までにピーク値をとり、虚血時間依存的に、また、脂肪肝でより強く傷害された。これらの評価では虚血終了時に虚血時間依存した群間差を認めず、術後早期の肝機能障害、肝転移促進要因、肝再生不良等の予測は困難であった。肝組織切片をイメージング質量分析(MS)法で解析すると、陰イオンモード、m/z 200~1500 の範囲で検出された200以上のピークのうち、虚血時間の相異、あるいは、脂肪肝の有無で比較し、虚血終了時に有意な違いを認めた物質の推移を検討した。これらの物質は、虚血中に増減し、再灌流後にさらに変化が増強する、正常肝の値に復する等の幾つかの推移を呈した。側鎖構成が異なる数種のLysophosphatidylinositol(LPI)が虚血時間依存的に虚血中に蓄積し、肝臓のZone1に蓄積していた。これらの変化は脂肪肝で増強され、Pringle法併用肝切除における、innate immunity増強、癌細胞の接着、浸潤に影響を与える可能性が見出された。 2) ラット70%肝切除、3) 肝癌細胞株の脂肪酸 (オレイン酸、パルミチン酸) 添加培養等のモデル作成に着手し、概ね安定した。 2023年度は研究施設変更というイベントがあり、動物実験の手続きが進まずにほぼ実験ができなかった。2024年度に延長できたことで、今年度はシンバイオティクスや薬剤を伴う研究を再開する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は研究施設変更というイベントがあり、動物実験の手続きが進まずにほぼ実験ができなかった。2024年度に延長できたことで、今年度はシンバイオティクスや薬剤を伴う研究を再開する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
動物実験施設使用の手続きを完遂し、シンバイオティクスおよびメトホルミン投与を行い肝再生や腫瘍に与える影響を解析したい。
|
Causes of Carryover |
2023年度は研究施設変更というイベントがあり、動物実験の手続きが進まずにほぼ実験ができなかったため。
|