2019 Fiscal Year Research-status Report
マージナルドナー拡大のための脂肪肝グラフトの網羅的情報解析
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19K18140
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石井 武 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (10837058)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 温阻血再灌流障害 / マージナルドナー |
Outline of Annual Research Achievements |
過去の予備実験で正常肝における類洞血流の波形パターンの解析や肝動脈クランプ解除後に類洞血流が一過性増加を示す現象の観察を行っており、今後同現象のメカニズムの解明のために経時的な網羅的遺伝子解析を行う予定であるが、アーチファクトを極力少なくした結果を得るために肝動脈クランプ手技を定型的・安定的に行う必要があり、手技獲得に時間を要し初年度の期間を費やした。具体的には肝動脈クランプの際、肝動脈周囲の脂肪織等はいずれも十分に剥離する必要があるが、この際に肝動脈の損傷があるとクランプ解除後の血流に影響が出ることが予想され、このアーチファクトが網羅的遺伝子解析の際に大きなアーチファクトとして現れる可能性が予想される。したがって肝動脈の剖出は非常に繊細な手技であり、これを安定的に行うことができるまでには時間を要した。 また用いる脂肪肝ラット個体も脂肪肝の条件の程度を合わせる必要があるが、MCDダイエットをどの程度の摂取させるかが問題となり、脂肪肝ラットでの肝動脈血流についてクランプによる影響についても再現性がよいのは4週間のMCDダイエットの接取であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ラット肝動脈阻血に伴う経時的な生理学的・分子生物学的変化についての解析のための網羅的遺伝子解析は2020年度に行えるため。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的遺伝子解析を行い、その結果から肝動脈の温阻血再灌流障害のメカニズムについて考察する。結果によってはメカニズムに関わる重要遺伝子についてさらに分析を追加する。
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Causes of Carryover |
試薬・物品に使用する可能性のある費用が当初の予想よりも少なかったため。
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