2021 Fiscal Year Annual Research Report
マージナルドナー拡大のための脂肪肝グラフトの網羅的情報解析
Project/Area Number |
19K18140
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石井 武 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (10837058)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 虚血再灌流 / 肝動脈 / マイクロアレイ |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究の予備的研究でラット肝動脈クランプに伴う肝類洞での血流変化について解析した内容をMultidisciplinary Computational Anatomyにて報告した(赤星、石井、工藤) 2021年度科研費実施報告書に記載したように、ラット肝動脈のクランプ操作が肝細胞や肝血流に与える影響についてをRNAマイクロアレイにより検討する実験を行い、clamp操作が与える影響についてmRNA変動レベルで検出できる点において妥当な実験系であることを確認していた。ただしクランプ個体と非クランプ個体それぞれ1体ずつの比較であり、発現変動遺伝子の中で虚血再灌流に強く関与していると考えられる遺伝子は同定はできなかった。 このためクランプ時間をこれまで30分としていたが、2時間のクランプを行ったラット肝でもRNAマイクロアレイを行い、sham個体と30分クランプ個体の結果と比較した。 それぞれ変動遺伝子は抽出されるが有意な遺伝子は特定できず、この原因としてそれぞれの個体が1体ずつでの解析のためノイズが大きく影響してしまうためと考えられたため、30分クランプ個体と2時間クランプ個体を増やしてそれぞれ計3匹ずつでマイクロアレイ解析を行った。 DAVID解析を行うとGTPase activator activity(GO:0005096)のpathwayの変化が検出された(p=0.06)。GTP代謝経路は一酸化窒素合成酵素NOSの生成、ひいては虚血再灌流障害の成因とされており(Wu MY et al.2018 Cell Physiol Biochem. doi: 10.1159/000489241)、今回我々の解析結果は肝動脈クランプにより発現する遺伝子群の中でGTP代謝経路の遺伝子については変動が大きく、虚血再灌流障害に関与している可能性が高いことが示唆された。
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