2019 Fiscal Year Research-status Report
イムノスコアを用いた食道癌化学療法による免疫微小環境評価の標準化と臨床応用
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19K18146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野間 俊樹 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20804462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イムノスコア / 食道癌 / CD8 / CD3 / CD45RO / 免疫 / 腫瘍浸潤リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最大の目的は、食道癌扁平上皮癌におけるimmunoscore(IM)評価の妥当性の検証とその評価方法の標準化、そして他の免疫関連因子と融合させ新たなmodified immunoscore(MI)による予後・治療効果予測システムの構築である。対象は、2000年から2016年までに当院で術前無治療で外科切除を行った食道扁平上皮癌切除例163例で、方法はCD3とCD8の組織免疫染色により腫瘍中心部と辺縁部のリンパ球のhot spotを複数視野撮影(1視野500×500μm)し機械でのauto cell countを行い、リンパ球数の多いTOP5視野を選択、その合計の中央値をcut offとしてスコア化し、最終的にCD3とCD8を足し合わせたスコアと、予後・臨床病理学的因子との相関を検討した。結果は、IM high群とlow群に関して全症例では予後(Overall survival)に有意差は認めなかったが (3年OS : high vs low群62.6 vs 75.1%, p=0.4373)が、進行症例(pStageⅡ以上)においてはhigh群で有意に予後良好となった(3年OS: high vs low群40.7 vs 71.9%, p=0.0228)。次に、さらなるスコアの予後予測精度向上のため、既報で予後と相関が報告されているCD45RO(活性化メモリーTリンパ球)の免疫染色を追加し、CD3、CD8、CD45RO全てを合算したスコアをMIとした。全症例でMI high群で有意に予後良好(OS: high vs low群82.5 vs 58.7%, p=0.020)であり、多変量解析にてもMIは有意な独立予後因子となった(HR=0.339, p=0.0001)。今後は他施設の症例も追加し、スコアの標準化と予後予測精度強化の可能性を模索する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
immunoscoreの評価法は、確立されつつあるが、まだ単施設での検討であり、今後他施設の症例も含める事により、バリデーション作業を行う必要性がある。また、宿主側の因子のみでなく、腫瘍側の因子も評価する事も、今後の臨床応用、個別化治療の確立のために必要と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
食道癌術前無治療切除検体のimmunoscoreに関しては、他施設の症例も追加解析し、バリデーション作業を行い、評価法の標準化を図る予定である。また、さらなる他の癌関連免疫細胞との関連性を明らかにし、スコアの精度強化を模索していく。他にも現在、副研究として、食道癌において術前化学療法が標準治療となっている事もあり、個別化治療の確立のためには治療前での予後および治療効果予測が特に重要となるため、治療前内視鏡生検検体を用いたTIL評価が可能かどうかも併せて検証している。対象は2009年から2013年に術前化学療法(FAPもしくはDCF)を行った食道扁平上皮癌患者100例で、方法は生検腫瘍部の組織免疫染色による全CD3およびCD8リンパ球密度を測定しその中央値で2群化し予後・治療効果との相関をみた。結果は、腫瘍内CD3密度においてhigh群がlow群より予後良好であった (5年OS: high vs low群:63.6 vs 42.0%,p=0.0295)。治療前因子を用いた多変量解析でも、NAC前生検でのCD3密度が独立予後因子となった(HR=0.5245, p=0.0233)。また治療効果との相関については、cStageⅢ-Ⅳ において、CD3密度high群がlow群より組織学的治療効果が有意に高かった(Responder割合:high vs low :30.4% vs 20.1%, p=0.029)。今後は、内視鏡生検検体におけるTIL評価法の標準化と、免疫チェックポイント阻害薬(本年保険収載)の治療効果予測への応用も視野に入れ研究をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
翌年度に関して、試薬、抗体、使用顕微鏡環境の更新などに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)