2021 Fiscal Year Annual Research Report
イムノスコアを用いた食道癌化学療法による免疫微小環境評価の標準化と臨床応用
Project/Area Number |
19K18146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野間 俊樹 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (20804462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Immunoscore / 食道癌 / CD8 / CD3 / TIL / 免疫 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の新たな評価法として「Immunoscore(IS)」という概念があるが、食道癌においてはIS評価自体のfeasibilityや予後・治療効果予測における有用性についてのエビデンスはなく、本研究の目的は食道癌におけるIS評価法の確立とその標準化、予後予測の有用性の検討と、さらに内視鏡生検組織中のTILを用いた治療効果予測の可能性についても明らかにする事とした。2000-2017年に根治切除した術前無治療食道扁平上皮癌患者300例の外科切除組織スライドにおいて、CD3抗体と、CD8抗体についての免疫化学染色を行い、腫瘍の辺縁部と中心部のTILを機械による自動計測を行い、TIL数の上位5視野の合計数の平均値をカットオフとし症例ごとにISスコアリング(0-4点)を行った。ISを2群[IS-high(3-4点)群 vs IS-low(1-2点)群]に分けると、2群間でstageを含めた患者背景因子には差を認めず、予後に関して、全症例においてIS-High群はLow群よりも予後良好な傾向があり、pStage II-IV症例(n=180)においてより顕著であった。さらにOSの多変量解析ではISが独立した予後因子となった。さらに2000-2017年に術前化学療法(NAC)としてNAC後に根治切除を施行した食道扁平上皮癌146例のNAC前内視鏡生検スライドを用いたCD3・CD8免疫染色評価を行った。評価法は、複数の生検腫瘍検体中の全てのTIL細胞数を自動計測し、腫瘍面積あたりのTIL密度(/1μm2)を算出、その中央値をカットオフとしてHigh群、Low群に2群化した。NAC奏効例(n=71)は、非奏効例(n=75)と比較してCD3陽性およびCD8陽性細胞密度が多く、多変量解析においてはCD3陽性細胞密度が治療効果の独立した予測因子となった。
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Research Products
(5 results)