2019 Fiscal Year Research-status Report
オレキシン神経系が敗血症関連脳症及び敗血症に伴う睡眠障害に与える影響
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19K18285
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
竹川 大貴 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (80834803)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 敗血症 / オレキシン / 睡眠障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
体重300-400g のOX/ATX-TGラット(n=6)を対象とし、麻酔下に所定の方法で脳波、筋電図導出用の電極を留置した。手術後は環境温24℃、明暗周期12 時間の恒温ケージの中で7日間飼育し環境馴化を図った後、コントロールの脳波、筋電図を24時間記録した。その後、LPS(1mg/kg)の腹腔内投与により敗血症モデルを作成し、脳波、筋電図を24 時間記録した。記録された脳波及び筋電図を10秒毎に区切り、各時間毎にラットの意識状態を覚醒、NREM睡眠、REM睡眠に分類した。統計学的検討に関しては、コントロールの脳波とLPS投与後の脳波を3時間ごとに区切り、各意識状態の量をTwo-way repeated measure ANOVAを用い比較し、Bonferroni法で時間毎の多重比較を行った。P<0.05で統計学的有意差ありとした。 コントロールに比べ、LPS投与後3時間までの覚醒時間(87.5% vs. 64.8%, p<0.05)が増加し、NREM睡眠時間(12.5% vs. 32.0%, p<0.05)が減少した。REM睡眠は10-12時間と13-15時間を除いた全て時間(1-3時間: 0.3% vs. 3.3%, 4-6時間: 1.0% vs. 3.4%, 7-9時間: 0.7% vs. 3.3%, 16-18時間: 1.2 %vs. 3.6%, 19-21時間: 1.1% vs. 4.2%, 22-24時間: 1.0% vs. 5.5%, p<0.05)で有意に減少した。以上をまとめるとOX/ATX-TGラットはLPS投与により覚醒時間が増加、REM睡眠が減少した。この結果からLPS投与により深い睡眠が障害されていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初はノイズや基線の揺れ等により安定した脳波が記録できなかったが、脳派のノイズ対策が進み現在は比較的安定した脳波が取れるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はTGラットにLPS0.3mg/kg、生理食塩水投与を行い、脳波や行動を観察する。 また野生型ラットに対してもLPS1mg/kg、0.3mg/kg、生理食塩水の投与を行い、TGラットの反応との差異を比較する。
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Causes of Carryover |
実験施設の建て替え工事の影響で実験を制限せざるを得なかったため。
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