2020 Fiscal Year Research-status Report
The effect of avascularization by tourniquet and repetitive clenching a fist in time of peripheral venous blood drawing on blood gas and lactate value
Project/Area Number |
19K18333
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
三浦 敏靖 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60618718)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 静脈血ガス / 上腕部駆血 / 乳酸値 |
Outline of Annual Research Achievements |
40名の成人ボランティアを対象として、前腕皮静脈に22G留置針を留置し固定した。上腕部を60mmHgで駆血し、駆血後0(駆血前コントロール対象),2,5,10分で留置ルートから採血し血液ガス測定を行った。結果は、各駆血時間においてPH ,PCO2,乳酸値に優位な上昇は認めなかった。駆血後10分でもPH,PCO2,乳酸値に変化がなかったのは驚くべき結果であった。 また、10分駆血・採血終了後に駆血を解除し、2分後に再駆血。今度は2分間の離握手を行った後血液ガス測定を行うと、こちらは統計学的には有意差は認めなかったが乳酸値の上昇を認める例も散見された。 本研究結果により、日常的に行う上腕駆血では静脈血液ガスや乳酸値には影響しない、ことが判明した。つまり、静脈路確保時に、静脈路確保に難渋し駆血が5分以上続くような場合でも、静脈血ガスの値は信頼できる値であると考えて良い。同様に静脈の可視化を容易にするために日常的に行う駆血後の離握手運動については、値に影響しないと結論づけることはできなかった。ただし、日常の臨床現場において、「静脈路確保のために2分間離握手し続ける」ことはあり得ないため、ほぼ影響しないだろうと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成人ボランティアにおける駆血と静脈血ガスの関係について一定の見解を得ることができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究成果を論文にまとめ報告する。 今回のボランティアは20-40代である。現在救急患者は高齢化しており、本研究結果が70歳以上の高齢者でも同様であるか否かを確認していく予定である。 また、循環不全など乳酸の産生が続いているような病態下でも確認する予定である。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症のため学会が全てweb開催となり旅費の使用が必要なくなった。血ガス測定器は既存の機器で測定可能であり、物品費の支出も最小限に抑えることができている
|